クレーンの災害事例
CR93111
事  例

フックを巻き過ぎ後方に転倒

[原因と対策]
業  種 土木工事業 機  種 クローラクレーン
被  災 軽傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし この災害は,橋脚下部工の基礎工事のために使用していたクローラクレーン(つり上げ荷重50t,ジブ長さ30.5m)が補巻きフックを巻過ぎてジブを起こし過ぎたため,後方に転倒したものである.
当日は,朝からこのクローラクレーンにバイブロハンマーを取付け,矢板打込作業を行っていた.その後,土留め支保工をつり込むため,バイブロハンマーを取り外し,つり込み作業の準備をするためにクローラクレーンを移動したところ,その設置場所のわきにドラム缶が置かれていた.
クレーン運転士は,このドラム缶がつり込み作業の支障となることから,それを移動させるために,クローラクレーンのエンジンをかけたまま運転席を離れた.ところが,その直後,ジブがゆっくりと起き上がると同時に,クローラクレーンの機体が後方に転倒し,ジブが後方の橋の上に落下した.
これは,フックの巻過ぎにより,フツクブロックがジブ先端のシーブに引っ掛かり,ジブの起伏限界を超えてジブが起こされたため,後方に転倒したものであった.
そのとき,クレーンのクローラの上にいた運転士は飛び降り,軽傷を負ったが,幸い,橋の上には通行車両はおらず,橋の欄干を破損したのみであった.
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