クレーンの災害事例
CR93122
事  例

反転作業中,フックが外れ鉄板が転倒

[あらまし]
業  種 建設機械器具賃貸業 機  種 橋形クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. 荷の反転作業に,フックの付いた玉掛け用ワイヤロープを用いたこと.
  2. 反転作業を行うにあたり,その転倒範囲内に作業者が入ったこと.
  3. 玉掛技能講習を修了しておらず,この作業について経験の無いBに玉掛けの業務を行わせたこと.
    Bは,この作業についての経験もなく,その危険性も知らず,玉掛技能講習も修了していなかった.
対  策
  1. 作業の内容に応じた玉掛用具を使用すること.
    荷の反転作業は,つり荷の片側を支えながら反転させることから必然的に不安定な作業となる.
    フックの付いた玉掛け用ワイヤロープを用いた場合,荷を倒してゆくときに,フックが荷から外れる危険性がある.そのため,確実な玉掛けが要求され,通常シャックルを使用することが多い.
    また,クレーンのフックから玉掛け用ワイヤロープが外れることを防ぐため,フックの外れ止め装置も確実に使用しなければならない.
  2. 反転作業を行う転倒範囲内は,立入禁止とすること.
    1本づり等1箇所に玉掛けした荷の下への立入りは禁止されている.なお,原則として,つり荷の下への立入りは禁止すべきものであり,荷の反転作業においても,その転倒範囲内への立入りは禁止する必要がある.
  3. 初めての作業を行う際には,作業内容,作業手順,その危険性などについて教育を行うとともに,その作業について必要とされる資格を取得させること.
    玉掛けの業務については,玉掛技能講習修了者に行わせなければならない.
    無資格者による作業を防ぐためには,あらかじめ,作業に必要とされる技能講習を受講させ,必要な人数の有資格者を確保しておかなければならない.
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