クレーンの災害事例
CR94012
事  例

修理中に上部旋回体に挟まれる

[あらまし]
業  種 土木工事業 機  種 トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体に接触して挟圧
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. 移動式クレーンの作業に必要なフロントジャッキが故障していたにもかかわらず,修理をせずに作業を行ったこと.
  2. 移動式クレーンの上部旋回体に接触する危険がある場所に立入禁止がなされていなかったこと.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. 移動式クレーンについては,定期自主検査及び作業開始前の点検を行い,異常を認めたときには,直ちに補修を行うこと.
    補修を行わずに作業を開始することは,故障が,直接の災害原因となるばかりではなく,本災害のように,思わぬ災害の原因となる.
  2. 移動式クレーンの上部旋回体に接触する危険がある場所には,確実な防護柵を設置するか,周囲全体を監視することができる監視人の配置を実施するとともに,移動式クレーン運転士は,周辺の作業者が立入禁止区域外へ退避したことを確認したうえで作業を開始すること.
    本作業においても,合図者が移動式クレーン周辺の監視をすることになっていたが,Bが作業していた位置は移動式クレーン運転室の反対側であったため発見できなかった.
    また,移動式クレーンの運転席からは,作業をするための前方はよく見えるが,カウンターウエイトのある後方は死角となり,周辺の作業者を確認することはできない.
    そのため,周辺の立入禁止措置は,確実に実施しなければならない.
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