過負荷で先端ジブが折損

1. つり荷が法面の格子枠に引っかかったままジブを起こしたこと．
   つり荷が法面の格子枠に引っかかっていることに気付かず，過負荷防止装置が作動している原因を作業半径が大き過ぎるためと思い込んでジブを起こしたものである．
   ジブを起こすとつり荷も上昇し，さらに大きな力がジブに加わることとなる．
2. つり荷の状態が十分確認でさる位置に合図者等がいなかつたこと．
   移動式クレーンの運転室からは，つり荷の位置が遠く，さらに法面の犬走りに遮られ，つり荷の状態がよく確認できない．
3. 作業計画が適切ではなかったこと．
   合図者の位置が適切ではなく，作業で予定する最高部の位置がこの移動式クレーンの能力を一超えていた．

1. 安全装置にすべてを頼ることなく，つり荷の状態，安全装置が働いている理由を把握した上で移動式クレーンを運転すること．
2. つり荷の状態が十分確認できる位置に合図者等を配置すること．
   移動式クレーンの運転室から，つり荷の状態がが確認できない場合にあっては，必要な位置に合図者及びその補助者を配置し，つり荷の状態を確認できるようにしなければならない．
3. 作業内容に見合った能力の移動式クレーンを選択するとともに，人員の配置についても考慮した作業計画を作成すること．