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原 因 |
- ジブのつり上げに際し,鋼板の穴に直接,繊維ベルトを通し,玉掛けしたこと.
鋼板の角に直接繊維ベルトが当っており,さらに,荷の移動を引きずりながら移動したため,繊維ベルトがその角で擦られて切断したものである.
- 繊維ベルトは日頃から屋外に放置していたため,直射日光などにより劣化し,弱くなっていたこと.
繊維ベルトは,約1年半前に購入されたものであるが,屋外に放置されたままであったため,色も褪せ表面が劣化してきていた.
- 作業者がつり荷の下に立ち入り,さらに,その荷を下に引っ張る作業方法により修埋を行ったこと.
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対 策 |
- 作業方法を十分検討し,安全な作業方法で修理を行うこと.
移動式クレーンを使用すれば,ジブを横に回転し,地面において作業することも可能であり,そのような作業方法であれば,この様な災害は発生しなかったものと思われる.
- 鋭利な角を有する荷の玉掛けには,繊維ベルトを使用しないこと.
このジブは,鋼管で造られており,先端部分にだけ一部鋼板が使用されていた.鋼管の部分であれば,繊維ベルトの使用は問題がなかったものと思われる. なお,ワイヤロープを使用する場合であっても,鋭利な角を玉掛けするときは,必ず当てものを使用すること.
- 繊維ベルトは,熱,日光,薬品の影響を受けない場所に保管すること.
なお,作業開始前の点検にあたっては,繊維ベルト表面の毛羽立ち及び損傷,並びに,縫製部の糸切れなどに十分注意すること.
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