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あらまし |
災害が発生した事業場は,天井クレーンの設置工事を専門に行っている事業場で,本災害は,既設天井クレーンのランウェイ上の走行レールを取替える工事中に発生したものである.
災害の発生した天井クレーンは,つり上げ荷重25tのクラブトロリ式天井クレーンで,ランウェイの長さは,70m,高さは,6.4mであった.
災害発生当日は,その工事の3日目で,すでに新しい走行レールの仮止めが終了し,6名の作業員で走行レールの芯出しとその固定作業を行った.
被災者は,作業員の中で最も経験が深かったことから作業の指示を行い,走行レールの固定作業が終了した後もその点検を行っていた.
被災者は,点検作業を終了した後,ランウェイに立て掛けられていたはしごを利用し,地上に下りるため,両足をはしごの踏さん最上部にかけ,体を支えるため,たまたまそこに停止していた天井クレーンの走行車輪のカバーを両手で持ったところ,そのカバーが被災者側に開いたため,本人はバランスを失って,高さ約6mの位置から地上に転落したものである.
なお,天井クレーンは,工場建屋の西端に停止しており,天井クレーン点検用のはしご道は,東端に設置されていた.
また,車輸カバーは,車輸の摩耗状況を点検するとき,建屋壁側から容易に点検できるよう内側に開くような構造になっていた.
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