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あらまし |
この災害は,アルミパネル製カーテンウォール2枚を積んだ専用台車(重量400kg)をタワークレーン(つり上げ荷重19.2t)でつり上げ,移動中に,玉掛け用スリングが外れ,つり荷が落下したものである.
災害が発生した建設工事は,地上44階(高さ約200m)の鉄骨造の高層ビルの建設工事で,災害発生当日は7階まで鉄骨が組み立てられ,4-5階部分のカーテンウォールの取付作業が行われていた.
この工事現場には,作業半径の関係などから,ビルの南西部の部分の作業に使用するNo.1クレーン,ビルの南東部の部分の作業に使用するNo.2クレーン,ビルの北西部の部分の作業に使用するNo.3クレーン,ビルの北東部の部分の作業に使用するNo.4クレーンと,すべて同型の4台のタワークレーンが設置されていた.
災害発生当日の午後,工事現場の北西部にある資材置き場から,No.3クレーンを使用し,ビルの北東部コーナーに取り付けるカーテンウォール4枚をNo.4クレーンの作業範囲内に移動する作業を開始した.
この作業は,カーテンウォール2枚を積んだ専用台車ごと玉掛けし,移動させるもので,カーテンウォールが倒れないように支えている金具の上部にナイロンスリングを掛けて行った.
1台目の専用台車の移動を終って,2台目の専用台車を低速により約20mつり上げ,続いて高速巻上げに切り換えたところ,突然,玉掛用ナイロンスリングが外れ,専用台車が落下した.
落下した専用台車は,玉掛けをした場所から,約3m離れて設置されていた移動式クレーンの後部に当たって飛び跳ねたため,玉掛け後に,クレーン運転の指示をしていた作業員2名に激突したものである.
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