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あらまし |
この災害は,ダム建設工事において,ダム周辺で伐採された木材を移動するための移動式クレーン(ラフテレーンクレーン,つり上げ荷重25t,自重26t)を,空荷のままジブを横方向に向け伸ばしたところ,横転したものである.
この作業は,ダム建設工事に伴って造成された道路から,ダム貯水池周辺の道路下方に集積された木材の束(1束当たり約200kg)を道路上につり上げるものであった.
災害発生当日,作業の打ち合わせを行なった後,移動式クレーンを作業場所である道路に設置しようとしたが,道路の幅員が狭くアウトリガーを道路の路肩いっぱいにを張り出しても中間張り出し(張り出し幅5m)しかできず,その状態のままアウトリガーフロート(0.5m×0.3m)を直接道路に接地させた.
なお,この道路は山の斜面に盛り土をして造られた林道であり,末舗装であった.
道路下方に集積された木材を玉掛けするため,上部旋回体を横方向に旋回させ,ジブを伸ばしていったところ,突然ジブ側のアウトリガーフロートが地中にめり込み,移動式クレーンが転倒した.
事故後,周辺の道路路肩の地盤の支持力(地耐力)を平板載試験により測定したところ,盛り土のうえ路肩であったことから,14t/m2しかなかった.
また,事故時の状態でのアウトリガーフロート底面における面圧を計算したところ,無負荷の状態で66t/m2にも達していた.
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