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原 因 |
- 定格荷重を超えた荷をつったこと.
車両積載型クレーンは,各種のトラックに装備することができるが,4tトラック等小型のトラックに装備されたものは,過荷重で作業するとすぐ転倒することが多く,今回のように,大型の10tトラックの場合には,車体も大きく,車体の安定がよいため,転倒することは少ないものと考えられるが,日頃から過荷重作業を繰り返していたために,金属疲労等によりジブが破損した.
- つり荷を直接手で押さえていたこと.
- 移動式クレーンの1年以内ごとの定期自主検査を実施していなかったこと.
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対 策 |
- 移動式クレーン作業を開始する前に,荷の重さを確認し,定格荷重の範囲内で作業ができることを確認すること.
車両積載型トラッククレーンの荷台に積み込んで輸送することを考えると,鉄筋の束の長さの半分以上の作業半径が必要となり,最大で8mの鉄筋を積み卸をしなければならないことから,少なくとも作業半径が5m程度で,定格荷重2.4t以上の能力を有する車両積載型トラッククレーンが必要とされた.したがって,鉄筋の束をあらかじめ半分程度に結束し直して作業を始めるか,1クラス上の車両積載型トラッククレーンを使用する必要があったものである.
- つり荷の揺れを防止するためには,手で直接押さえず,ロープ等を用いること.
つり荷を直接手で押さえることは,本災害のような場合,つり荷が揺れた場合等災害に結びつくことが多く,つり荷から離れて作業することが必要である.
- 移動式クレーンの定期自主検査を確実に実施すること.
特に大型トラックに設置されたつり上げ荷重2.9tの車両積載型トラッククレーンについては,過荷重で使用されていることが多いことから,ジブのクラック等について十分点検する必要がある.
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