クレーンの災害事例
CR94112
事  例

工事用ジブクレーンの解体作業中に挟まれる

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ジブクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体に接触して挟圧
原  因 この災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. クレーン解体の手順を誤ったこと.
    Aフレームを解体するためには,その作業に先立って,Aフレームが支えているウインチビームを地上に下ろし,解体用のデリックでAフレームを支えてから作業を開始する必要があったにもかかわらず,解体作業を開始してしまった.
  2. 作業者に対し,解体時の作業手順を周知せずに作業に取りかかったこと.
    Cを含め作業者に,クレーンの解体作業の経験者が多かったこともあり,現場休憩所に解体手順書が置かれていただけで,作業者には,作業の詳細な打合せ,指示は行われていなかった.
  3. クレーンの解体作業作業指揮者が十分な作業指揮を行っていなかったこと.
    作業管理を主な業務とするAと異なり,Bは実際に作業を行っていたため,Bと離れた場所で作業を行っているCの作業の内容まで管理しきれていなかった.
対  策 このようなクレーンの組み立て及び解体の作業における災害を防止するために,クレーン等安全規則第33条にはいくつかの事項が定められているが,特に,今回のような災害については以下の対策が必要である.
  1. 作業者全員にクレーンの解体作業の手順を十分に周知し,各人の作業配置を定めて作業を行うこと.
    作業手順の周知については,手順のみでなく,行ってはならない事項等,安全確保のために必要とされる事項についても,十分に周知することが必要である.
  2. 作業指揮者は,作業者全員の作業状況を十分に把握し,作業を指揮するとともに,不安全な行動を末然に防止すること.
    そのためには,今回のように,単に作業者の中から代理者を指名するだけでなく,作業に必要とされる人員配置等作業者の人数についても,考慮する必要がある.
cr94112.gif
 
 
[ホーム]