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あらまし |
災害は,ホテルに設置されたダムウェータ一の点検作業中に発生したもので,このダムウェーターは,1階の厨房から客席のある2階及び3階へ料理を運搬する搬器で床面積0.5m2,高さlmの小型のエレベーターである.
被災した作業者Aは,エレベーター,エスカレーター等の保守点検を行う事業場の作業員で,災害発生当日は,朝から3台のエレベーターを点検した後,午後3時頃事務所に戻って待機していたが,午後5時頃ホテルから厨房内のダムウェーターが故障した旨の連絡が入り,修理のために急行した.
ホテルに到着したAは,ホテルの料理長から故障の説明を受け,さっそく調査したところ,故障は搬器から落ちた皿の破片が昇降路の中に入り,ダムウェーターが停止していたことが判明したため,昇降路の中に挟まっていた皿の破片を取り除くこととした.
Aは,通常扉を閉めなければ昇降できないダムウェーターの安全装置を解除するため,特殊な工具を搬器の隙間から差し込み,1階に停止したダムウェーターの搬器を上昇させ,昇降路のピットの中に入り,昇降路の内部に散乱していた皿の被片をl階の取出口から外部に取り出した.
その後,ピットから出て,搬器を1階に降ろし,搬器内に頭を入れ内部の点検を行っていたところ,突然搬器が上昇し,搬器と昇降路の間に首を挟まれたものである.
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