クレーンの災害事例
CR95032
事  例

電動ダムウェーターの点検作業中に搬器に挟まれる

[あらまし]
業  種 機械修理業 機  種 簡易リフト
被  災 死亡 1名 現  象 搬器と他の構造物による挟圧
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. ダムウェーターの電源を切らず,安全装置を解除したまま,搬器内に頭を入れ作業を行ったこと.
  2. ホテルの従業員にダムウェーターの操作禁止の指示をすることなく,また,各階の操作スイッチに点検中の標識を貼らないまま作業を行っていたこと.
    突然,搬器が上昇した原因は明らかではなく,作業員Aの身体が操作スイッチに触れた可能性もあるが,l階以外の操作スイッチを誰かが操作した可能性もある.
  3. 単独作業を行う作業員に対する安全教育が不十分で,安全作業のための基本が守られていなかったこと.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. 各階の操作スイッチに点検中の標識を貼り,その操作の禁止を関係者に周知した上で点検作業を実施すること.
  2. 危険範囲内で作業を行う場合には,必ず,ダムウェーターの電源を切って作業を行うこと.
    点検整備の作業においては,扉を開けたままの搬器の昇降等,安全装置を解除しての作業が必要となる場合があるが,身体の一部であっても,身体が危険範囲に入る場合にあっては,ダムウェーターの電源を切って作業を行わなければならない.
  3. 安全作業のための基本が守られるよう単独作業を考慮した十分な安全教育を実施すること.
    エレベーター等の点検整備の作業は,常に作業場所が変わる出張作業であり,さらに単独作業が多く,工場内の作業のような安全管理が困難である.そのため,安全の確保のためには,作業員に対する十分な安全教育が重要である.また,出張作業に対する安全パトロールも効果的である.
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