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あらまし |
災害が発生した工事は,5階建集合住宅のベランダ手すり等の再塗装工事で,高所での作業は,ゴンドラ,ブランコを使用して行われていた.
災害は,屋上のパラペットからつり下げられた下請塗装会社所有の可搬式ゴンドラ(積載荷重300kg,デッキ型)のつり下げ用ワイヤロープを固定する上部支持金具が外れ,ゴンドラが落下したものである.
災害発生当日,下請け塗装会社の5名の作業員のうち,1名が南面1階の塗装,2名がブランコで東及び西の妻側の窓手すりの塗装,残りの2名(AとB)がゴンドラを使用して北面の窓及びベランダの手すりの塗装を行うこととなっていた.
午前中に,北面西端の窓及びベランダの塗装作業が終了したため,作業に使用していたゴンドラを一旦地上に降ろし,午後l時から,そのゴンドラを東隣に移設する作業を5名の作業員全員で行った.
ゴンドラを移設した後,搬器を地上から僅か巻き上げた状態でにしてその中に乗った作業員Aが跳びはね,その固定状況を確認したところ,跨座式突りょうが前に少し倒れたため,屋上にいた2名の作業員が,跨座式突りょうを水平に調整した.
その後,作業員Bはゴンドラに乗り込んで,Aとともに2名で5階から塗装作業を行うため,ゴンドラを上昇させ,他の3名の作業員は,それぞれの作業場所へ戻った.
その約1時間後,A及びBが4階の塗装作業を行っていたところ,西側の上部支持金具が外れ,ゴンドラの搬器が縦になり,乗っていた2人が搬器から振り落とされ,その後東側の上部支持金具も外れ,墜落した2人の上に搬器が落下したものである.
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