クレーンの災害事例
CR95062
事  例

荷を反転作業中に転倒

[あらまし]
業  種 金属製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 床上の物体の転倒によりる挟圧
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. フックの外れ止め装置が破損したまま作業を行っていたこと.
    この天井クレーンは,設置以来10年以上経過していたにもかかわらず,月例,年次の定期自主検査を実施しておらず,フックの外れ止め装置のバネが破損したままの状態で使用されていた.
    そのため,反転作業の途中で,ワイヤロープが緩んだとき,フックからワイヤロープのアイが外れたものである.
  2. 長い1本のワイヤローブで玉掛けを行っていたこと.
    そのため,ワイヤロープのアイが1つ外れたことによって,そのまま荷が転倒してしまったものである.
  3. つり荷を倒す側に,人がいたこと.
  4. クレーン運転の教育を受けていない者に運転の業務を行わせていたこと.
    そのため,外れ止め装置の必要性,反転作業の作業方法等についての知識が無かったものである.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. 定期自主検査を行い,異常が認められた場合には,補修等を実施し,フックの外れ止め装置等の安全装置が完全な状態でクレーン作業を行うこと.
  2. 玉掛けは,2本以上のワイヤロープを用いて行うこと.
  3. つり荷の下及ぴ転倒方向には,人を立入らせないこと.
  4. 5t末満のクレーンの運転の業務を行わせる者には,特別の教育を行うこと.
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