クレーンの災害事例
CR95072
事  例

車両積載型トラッククレーンが転倒

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 重傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. アウトリガーを鉄板の端部に設置したこと.
  2. 定格荷重を超えた荷をつったこと.
  3. 必要な資格を有しない者に作業を行わせたこと.
    作業員Bは,小型移動式クレーンの運転資格も玉掛けの資格も持っていなかった.
    そのため,定格荷重以上の荷を玉掛けし,十分な安全措置を取ることもなく作業を行ったものである.
  4. 作業開始前に,作業の内容等十分な検討が行われておらず,あらかじめ,移動式クレーンの能力にあった荷姿となっていなかったこと.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. 移動式クレーン作業を開始する前に,荷の重さを確認し,定格荷重の範囲内で作業できることを確認すること.
    今回の場合,地下1階床に荷を降ろすためには,作業半径7m程度が必要であり,その作業半径における車両積載形トラッククレーンの定格荷重は,0.5t程度しかなかったものである.
    したがって,型枠用資材をあらかじめ半分程度に結束しておくか,能力の大きな移動式クレーンを使用する必要があったものである.
  2. アウトリガーは,鉄板の端部から十分に難れた場所に設置すること.
    鉄板の端部にアウトリガーを設置すると,荷重がかかった場合に,鉄板がたわみ,アウトリガーが滑って,外れることがあるので,このような危険性が無い位置にアウトリガーを設置する必要がある.
  3. 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者に運転を行わせるとともに,玉掛技能講習を修了した者に玉掛けを行わせること.
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