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原 因 |
本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
- ハッカーの使用方法を誤ったこと.
この作業に使用されていたハッカーは,パイプ状の荷の両端に差し込んで使用するもので,水道管をl本ずつ玉掛けするために使用されるものであった.
- 不安定なつり荷のすぐ側で,つり荷の誘導を行っていたこと.
ハッカーは,荷重がかかることにより,荷にしっかりと固定される特徴があるが,正しく使用した場合であっても,つり荷にちょっとした衝撃が加わると外れることがあり,今回のように退避場所のないトラックの荷台上でつり荷の誘導を行うことは,危険が高いものである.
- 玉掛けの資格を有しない者に,玉掛けを行わせたこと.
作業員B,Cは,2名とも玉掛けの資格を有していなかった.
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対 策 |
このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
- 水道管の束をつる際には,ハッカーを使用せず,2本の玉掛け用ワイヤロープ等を使用し,あだ巻きにより玉掛けすること.
ハッカーの特性を理解し,その使用方法に応じた玉掛け方法で作業を行う必要がある. また,あだ巻きは,つり角度による水平方向ヘのロープの滑りを防止するために有効であり,水道管等の長尺物を束ねてつるときには,つり荷の中抜けを防止するためにも有効である.
- 不安定なつり荷のすぐ側で作業を行わないこと.
ハッカーを用いて玉掛けをした荷の下へ立ち入ることは,禁止されているが,本災害の作業のような場合であっても,予めトラックの荷台から退避し,つり荷を旋回させる必要がある場合等については,介錯ロープ等を使用することが必要である.
- 玉掛技能講習を修了した者に玉掛けを行わせること.
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