クレーンの災害事例
CR95101
事  例

つり荷走行中のラフテレーンクレーンが転倒

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 重傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし この災害は,工場建屋の外装補修工事において,ラフテレーンクレーンで外装材をつり,つり荷走行中に転倒したものである.
補修作業は,工場建屋の壁を約100mにわたり外装材を張り替えるもので,工事の進展に伴い,作業場所が,当初の資材置き場から遠く離れてしまったため,補修作業に使用していたラフテレーンクレーン(つり上げ荷重8t)で,結束された外装材15枚(長さ8m,幅0.9m,合計重量1.2t)を運搬することとなり,その作業は,移動式クレーン運転士Aと4名の作業員によって行われた.
まず最初に,Aは,資材置き場の脇の舗装された工場内通路にラフテレーンクレーンをアウトリガーを完全張り出しで設置した後,ジブを外装材15枚が置かれている位置まで延ばし,4名の作業員の玉掛けで1.5mまでつり上げ,ジブをラフテレーンクレーンの前方に旋回させて前方づりの状態とした.
その後,Aは,アウトリガーを格納し,つり荷走行を開始し,4名の作業員はつり荷の揺れを防止するため,つり荷の両端を押さえながら,つり荷の誘導を行った.
60m程走行したところで,つり荷を下ろす体制にはいるため,つり荷の両端を押さえながら,4名の作業員が左側に寄ったところ,工場内通路が左に4度傾斜していたこともあり,クレーンの上部旋回体が左に旋回を始め,一瞬のうちに左側に転倒した.
その際に,つり荷の左端で誘導していた作業員が,落下してきたつり荷に当たり被災したものである.
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