クレーンの災害事例
CR95102
事  例

つり荷走行中のラフテレーンクレーンが転倒

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 重傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因 最近,ラフテレーンクレーンが増加しているが,ラフテレーンクレーンは,定格荷重がかなり小さくなるものの,つり荷走行や,オンタイヤ作業(アウトリガーを張り出さずに行う作業)ができる特長がある.
しかしながら,様々な作業が可能であるだけに,その取扱いには,十分な知識と注意が必要である.
本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. つり荷走行時の定格荷重を超えており,さらに,つり荷走行時の走行姿勢を守っていなかったこと.
    つり荷走行時の定格荷重1.0tに対してl.2tの荷をつり,また,ジブを前方左右l度以内の範囲で旋回ブレーキをロックさせて走行するよう定められていたにもかかわらず,旋回ブレーキをロックしていなかったため,上部旋回体が回転した.
  2. 工場内通路が傾斜していたこと.
    そのため,荷の重さで上部旋回体が回転し,不安定となった.
  3. 過負荷防止装置の設定を「完全張り出し」の状態のままとしていたこと.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. つり荷走行時の定格荷重,走行姿勢を守ること.
  2. つり荷走行は,傾斜地では行わないこと.
  3. 過負荷防止装置は,アウトリガーの張り出し状態等移動式クレーンの作業状態に応じて正確に設定すること.
なお,移動式クレーンの作業状態に応じて自動的に過負荷防止装置が設定されるものがあるが,そのような移動式クレーンを使用することも対策として必要である.
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