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原 因 |
本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
- 破損しやすいつり荷に対する玉掛け方法を誤ったこと.
フックは,最下部のワイヤーメッシュ数枚に引っ掛かっていたが,落下したワイヤーメッシュを構成する鋼線の直径は2.7mmにすぎず,50mm間隔の鋼線の溶接部が,フックを引っ掛けた大きな荷重に耐えられず,破断し,フックが外れたものである.
- 玉掛けの資格を有しない者に玉掛け作業を行わせていたこと.
配送員Aは,玉掛け技能構習を修了しておらず,玉掛け方法に関する知識が不足していたにもかかわらず,従来から,天井クレーンを使用して作業を行わせていた.
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対 策 |
このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
- つり荷の構造,重量に応じた玉掛けを行うこと.
災害の発生した玉掛け方法は,ワイヤーメッシュの重量が軽い場合には,簡単であり,強度的にも問題はなかったことから,本事業場では従来から行われていたが,重量が重い場合については,2本の玉掛け用ワイヤロープを下側に回す等の確実な方法で玉掛けする必要がある.
- 玉掛け作業を行わせる者には,事前に玉掛け技能講習を受講させること.
また,ワイヤーメッシュの強度等を確認し,玉掛け方法の基準を作成し,関係労働者に十分周知しておく必要がある.
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