|
あらまし |
災害が発生したところは,建設会社の資材置場で,保管してあったタワークレーンの部材を工事現場に輸送するための作業中に災害が発生した.
災害発生当日の午後l時過ぎ,資材置き場に保管してあるタワークレーンを次の作業現場に搬送するため,トレーラー2台とトラック4台が,資材置場に到着した.
タワークレーンの部材の積み込みには,ラフテレーンクレーン(つり上げ荷重25t)を用い,移動式クレーン運転士A,玉掛け及び合図者B,玉掛け補助者Cの3名で作業を行った.
トレーラー2台とトラック3台への積み込みが終了し,最後のトラツクに,残ったトップジブ(長さ5m,重量660kg)及びガントリーフレーム(重量700kg)を積み込む作業を開始した.
最初に,ガントリーフレームを積み込み,その上に枕木(角材)2本を置いた後,B及びCはトラックの荷台から下り,トップジブを2本の繊維ベルト(両端アイ,長さ6m)で玉掛けし,ふたたびトラックの荷台に乗り,トップジブがラフテレーンクレーンにより荷台に運ばれてくるのを待っていた.
2人は運ばれてきたトップジブの位置を手で押さえて調整しながら枕木の上に置くと,Bはトップジブの下から繊維ベルトを抜くため,ラフテレーンクレーンのフックから2本の繊維ベルトのそれぞれの片側のアイを外し,繊維ベルトをフックに掛けたたまま,移動式クレーン運転士Aに巻上げの合図をした.
クレーンで巻き上げていくと,外した方の繊維ベルトのアイがガントリーフレームの側面に突き出していたステップ部に引っ掛かったが,そのまま巻き上げ続けたため,繊維ベルトでジプを押し上げる形となり,ジブが荷台から転落した.
Cは,とっさに荷台から飛び降り,無事であったが,合図者Bは,繊維ベルトのアイが引っ掛かったのに気付き,ジブを押さえようとするとともに,巻上げ停止の合図をしたが,合図が間に合わず,転落してきたジブとともに地上に転落し被災した.
|
|