クレーンの災害事例
CR96031
事  例

クローラクレーンが後方に転倒

[原因と対策]
業  種 土木工事業 機  種 クローラクレーン
被  災 なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 災害の発生した工事は,護岸工事で,海上の捨石の基礎に沿って消波ブロックをクローラクレーンで設置する作業の準備中にそのクレーンが後方に転倒したものである.
災害発生当日の作業は,消波ブロック30個を捨石の基礎に沿って並べるもので,作業場所から約lkm離れた消波ブロックの製作場所に置かれていたクローラクレーン(つり上げ荷重50t,ジブ長さ20m)を移動してきて使用するものであった.
移動の経路は海岸沿いであり岩場があって狭かったことから,移動前にクローラの間隔を縮小し,作業場所の捨石基礎の上まで移動した.
海上に捨石で造成された幅7m,長さ200mの捨石基礎部は,凹凸があり,傾斜していた.
クローラクレーンの運転士Aは,捨石基礎の中央部まで移動すると,消波ブロックの据付作業のため,海側のクローラを拡幅するため拡幅シリンダーの操作レバーを操作したが,クローラが捨石に引っ掛かって拡幅できなかった.
そのため,海側のクローラに掛かっている荷重を軽くして拡幅を容易にするため,ジブ(ジブ起伏角約60度)に荷をつらないまま海側に旋回させていったところ,海側のクローラが浮き始め,後方に転倒し,ジブが陸側の護岸に激突した.
このため,ジブ及びバックストップが損傷したが,幸いにして,運転者及び周辺の作業員には被害はなかった.
cr96031.gif
 
 
[ホーム]