クレーンの災害事例
CR96052
事  例

クライミングクレーンのジブから墜落

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ジブクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体から墜落
原  因 この災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. 安全帯を使用していなかったこと.
    ジブには,安全帯を取り付けるための親綱が張られており,2人とも安全帯を持っていたが,使用していなかった.
  2. 強度を確認していないラチス材に臨時のワイヤロープを掛け,ジブを支えようとしたこと.
    機材部門で作成した作業手順書では,移動式クレーンでジブをつり上げる際に使用されたジブつり金具に臨時のワイヤロープを掛ける予定であったが,作業を開始したところ支障があったため,現場で取付位置を変更した.
  3. 資材の準備の誤りで,誤ったペンダントロープが持ち込まれていたこと.
対  策 このような臨時の作業における災害を防止するためには,以下の対策が必要である.
  1. 資材をよく確認し,現場に持ち込むとともに,作業工程に余裕を持たせること.
    この災害は,準備した資材の誤りと,余裕の無い作業工程のため,流用したボルトで,クライミングクレーンを組み立てたことが第一の原因と考えられ,資材の誤りがなく,誤りがあったとしても,作業予定に余裕さえあれば,組み立てる前に正しい部品を準備することも可能であり,このような高所作業は必要なかったものてある.
    そのためには,機材部門におけるクレーン部材の管理を改善する必要がある.
  2. 高所作業においては,安全帯を使用すること.
    安全帯の使用については,高所作業の基本であり,常に確認するとともに,その使用の徹底を図る必要がある.
  3. 作業方法の変更に当たっては,安全性を確認すること.
    また,機材部門においても,作業手順書を実際の作業にあったものとするとともに,現場で十分な検討も無く作業方法を変更することをなくするため,常に連絡体制を整備し,現場からの相談に対応することが必要である.
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