クレーンの災害事例
CR96072
事  例

クライミングクレーンのジブが折損

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ジブクレーン
被  災 ジブ折損 人的災害なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因
  1. 傾斜角の範囲を超えた状態で荷をつったこと.
    ジブを倒し過ぎ,ジブがクライミングクレーン上部のジブ根本付近の部材で支えられた状態のままで荷をつったため,ジブに設計荷重を超えた力が加わり,ジブが折れたものである.
  2. ジブの傾斜角指示装置が見えない位置で,ジブの傾斜角を確認することなくクレーンを運転したこと.
    クライミングクレーンでも,最近,運転席を設けず,無線操作やペンダント操作によるものが使用されているが,運転位置が自由で,つり荷を見やすい位置で運転することができる反面,クレーンから離れた位置でも運転することができることから,クレーンのジブの状態等を確認できないことによる事故が発生している.
  3. ジブの起伏角制限装置が解除されていたこと.
    クレーンの制御盤には鍵が掛けられておらず,誰でも安全装置を解除することができるようになっている.
  4. 作業開始前点検において,起伏角制限装置の機能を確認していなかったこと.
対  策
  1. ジブの傾斜角指示装置の見える位置で,ジブの傾斜角を確認し,その範囲内でクレーンを運転すること.
    クレーンは,使用することができるジブの傾斜角の範囲が定められており,その範囲を超えて作業を行うとジブの折損,転倒等の危険性がある.
    また,この事故のように起伏角制限装置だけに頼ることなく,運転者が傾斜角を確認しながら運転する必要がある.
  2. クレーンの制御盤には鍵を掛け,安全装置の管理を確実に実施すること.
  3. 作業開始前点検においては,起伏角制限装置等の安全装置の機能を確認すること.
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