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あらまし |
砂防ダム建設工事現場において使用していたクローラクレーン(つり上げ荷重50t)のジブ(ラチス構造,長さ37m)が,強風にあおられたため後方に転倒した.
災害発生当日は,朝からコンクリートミキサー車により搬入されてきた生コンクリートをクローラクレーンのバケット(0.75m3,重量365kg)で運搬し,ダム堤体のコンクリート打設作業を行っていた.
この作業は,クローラクレーンを堤体下流側に設置し,移動式クレーンの運転士A,ダム堤体下でクレーンの合図を行う作業員B及びダム堤体上で打設作業を行う5名の作業員で行っていたが,午後5時頃この日の打設作業が終了したため,後片付けを行うこととなり,作業員Bはバケツトの洗浄作業を始めた.
作業員Bは,運転士Aにバケットを地上に降ろすよう合図し,クレーンのフックにバケットを掛けたまま水をかけ,洗車ブラシでバケットについたコンクリートを洗い落としていたが,急に激しい風が吹いてきてジブが起き上がり,バケットがクレーンの方に向かって動き始めたため,慌ててバケットから離れた.
ところが,風にあおられたジブは,そのままクレーン後方のダム堤体まで倒れてしまい,ダム堤体上で後片付けの作業をしていた作業員にあたった.
災害発生時の風速は記録されていないが,災害の発生した場所は,日本海を望む山中で,冬の西からの季節風が強い場所であり,当日も暴風雪警報が発令されていた.
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