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原 因 |
本災害の原因として次のことが挙げられる.
- 強風であったにもかかわらず,移動式クレーンによる作業を行ったこと.
冬季の積雪地帯において,暴風雪警報が発令され風が強かったにもかかわらず,作業工程が遅れていたため,クレーン作業を行った.
- ジブ上面に歩み板を取り付けてあったこと.
ジブ組立,解体作業時の足場を確保するため,ジブ上面の全長にわたって歩み板が取り付けられていたため,ジブの風を受ける面積が大きく増加し,風圧による大きな力が加わった.
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対 策 |
このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
- 強風時には,移動式クレーンを用いる作業を中止し,強風による移動式クレーンの転倒を防ぐため,ジブを倒しておくこと.
強風の予想される日には,あらかじめ移動式クレーンを用いる作業を避け,ジブを倒しておくことが望ましい.なお,クレーン等安全規則では,平均風速10m/s以上の風を強風としているが,つり荷の状況等によっては,それ以下の風でも転倒の危険があることから,風速には十分注意する必要がある. 最近,クレーン協会規格として制定されたJCAS9001-95「クレーン作業に使用する吹流し」によって,風の状況を常に把握することも有効な方法である.また,安全な作業を行うためには,悪天候の予想される冬季等の期間の工事には,十分な工期の余裕が必要とされる.
- ジブには,歩み板等の部材を取り付けないこと.
製造検査後,ジブに歩み板等を取り付けると,ジブの重量,風を受ける面積等が変化し,強度及び安定度が変化し,移動式クレーンとして必要な安全性が確保されなくなる危険性がある.
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