クレーンの災害事例
CR96092
事  例

コンクリートブロックに挟まれる

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. ジブの先端がブロックの重心の真上に来ていない状態で巻き上げたこと.
  2. 他のブロックが置かれた狭隘な場所から退避せずに巻上げの合図を行ったこと.
  3. 作業員AもBも玉掛けの資格を有していなかったこと.
この工事現場で,玉掛技能講習を修了していた者は,災害発生当日休んでいた作業班長だけであり,災害発生当日には,玉掛けの有資格者が1名もいなかった.
対  策 このような災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. つり上げようとする荷の重心の真上にフックを誘導して巻き上げること.
    玉掛け者は,地切りする前に荷の周囲2方向から観察して重心を確認し,フックをその真上にもってくる必要がある.
  2. 荷を巻き上げるときは,荷の周辺から退避すること.
    とくに,周辺に重量物が置かれている狭隘な場所においては,周辺の重量物とつり荷の間に挟まれることがないように退避した後,巻上げの合図を行うことが重要である.
    なお,一般的に移動式クレーンでは,荷をつり上げると,ジブがたわみ,作業半径が大きくなり,つり荷が外側に振られることも考慮して退避する必要がある.
  3. 玉掛技能講習を修了した者に玉掛け作業を行わせること.
    移動式クレーンを用いる作業の計画を立てるときは,作業に必要とされる資格を確認し,必要とされる資格を有する者に作業を行わせるとともに,合図者等を定め,関係労働者に周知しなければならない.
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