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あらまし |
この災害は産業用クーラの鉄骨枠を製造する工場内の塗装ブースにおいて,ホイスト式天井クレーン(つり上げ荷重1トン)により鉄骨枠(重量約600kg)をつり上げ,その下で塗装工Aが塗装作業をしていたところ,荷をつっていたチェーンがフックから外れ,Aがその荷の下敷きとなって死亡したものである.
災害発生当日は,午前中から組立てた鉄骨枠を塗装前処理作業場で脱脂等の作業を行い,午後3時過ぎから塗装のためにその鉄骨枠を台車に乗せて塗装ブース内に運んだ.
塗装ブース内では,塗装工BとAの2名が鉄骨枠を玉掛け用のチェーンを用いてクレーンのフックに玉掛け,次にBはクレーンを操作して荷をつり上げたまま,塗装ブースの隣の作業場に行って上塗り作業の準備にとりかかった.
一方,Aは塗装ブース内に一人残り,ブース内の仕切りカーテンを閉め,スプレーガンを使用して,つり上げたままの状態で鉄骨の下塗り作業を開始した.作業を始めてから約10分程度過ぎたとき,鉄骨枠の一方(南側)をつっていた玉掛け用のチェーンのリングがフックから突然外れ,鉄骨枠の下で塗装作業を行っていたAの上に落下したため,その下敷きとなった.
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