クレーンの災害事例
CR96102
事  例

天井クレーンのつり荷がフックから外れ落下

[あらまし]
業  種 金属製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
原  因 本災害の原因として次のことが挙げられる.
  1. 当該クレーンはつり上げ荷重が1tであることから,運転をするときは特別教育を受けた者を従事させなければならなかったにもかかわらず無資格者に運転させたこと.
    また,玉掛け作業を行う者は玉掛技能講習修了者でなければならなかったが資格を有していなかったこと.
  2. 鉄骨枠は玉掛け用チェーンで4点づりされていたが,北側2点と南側2点をつっていた玉掛け用チェーンがつり荷に対して短かかったためつり角度が140゜と大きくなり,チェーンのリングがずり上がってフックのはずれ止め装置を破損し,フックから外れてしまったこと.
  3. クレーンでつった荷の下に架台を設置する等の安全作業のための対策を講ずることなく,荷の下で作業を行ったこと.
  4. 作業開始前の打ち合わせ,具体的な作業指示が行われていなかったこと.
対  策 今回の災害を防止するためには,次のような対策が必要である.
  1. クレーンの運転や玉掛け作業に従事する場合には,専門の知識・技能を有する有資格者に行わせること.
  2. クレーンは,荷をつり上げたり,水平に運搬することを目的とした機械であり,この事例のように荷をクレーンでつったままの状態での作業は行わないこと.
    荷の下で作業を行う必要があるときは,架台等を設置する等の安全な作業方法を確保して実施すること.
  3. 玉掛け用具は,つり荷に適合した適正なつり角度を確保することができるものを選定すること.
  4. 作業の具体的方法等を定めた作業標準等を作成するなどして,具体的な作業方法の指示を行うこと.
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