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あらまし |
本災害は,鋼管の卸売業を営む事業場の倉庫内において発生した.床上操作式クレーン(つり上げ荷重5.07t)を用いて,カラー角パイプ40本を1束にした荷を運搬中に,荷を降ろす場所に番線が落ちていたため,被災者がこれを拾って,荷の真下から出ようとしたとき,玉掛け用繊維ベルトから荷が抜け落ち被災者に落下してきたため,死亡したものである.
災害発生当日の午前中に取引先のトラックで持ち込まれたカラー角パイプ(長さ6m,肉厚2.3mm,75mm角状のもの)40本が1束に結束された荷4束を,副倉庫長Aは,天井クレーンを用いて荷降ろしを行った.
次にAは仮置したカラ一角パイプを所定の置き場である倉庫中央部の通路北側に運ぶため,一人でカラー角パイプ1束に玉掛けを行い,天井クレーンで荷が自分の肩の高さになるようにつり上げて倉庫内を進んだ.玉掛けは,両端にアイのある長さ4m,幅5cmの玉掛け用繊維ベルトを用いて,4本づりで行ったが荷は傾いた状態でつられていた.
倉庫の中は,角パイプが凹凸に積まれていたため,Aはこの荷の上に乗りながら進み荷を降ろす所定の位置まで来たとき,そこに番線が落ちていることを発見したので,手伝いに来ていたBに番線を拾うよう指示した.
Bがつっていたカラー角パイプの真下の番線を拾い,通路側に出ようとしたとき,つっていた荷が玉掛け用繊維ベルトから抜け落ち,Bの腰付近に落下してきてその下敷きになった.
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