クレーンの災害事例
CR96121
事  例

ラフテレーンクレンが横転

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 人的災害なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 道路脇に「プレキャストボックスカルバート」と呼ばれる暗きょ用のボックスを設けるための水路工事中に,移動式クレーン(ラフテレーンクレーン,つり上げ荷重25t)を用いて,プレキャストボックスカルバート(重量5t)をつり上げ,所定の位置に据え付ける作業中に,移動式クレーンが右側方に横転した.
災害発生当日,道路脇の水路建設工事現場では,2次下請事業場が移動式クレーン(運転手付き)を持ち込んで荷の運搬作業を行っていた.その作業は移動式クレーンを使用し,トラックで運んできたボックスをトラックから道路上に仮置きした後,1個ずつつり上げて道路脇の掘削した溝に設置するものであり,11個の設置を予定していた.
午前中に4本の設置を終了し,午後からの5本目の設置作業は,既に敷設を終ったボックスの上に覆工板を敷き,移動式クレーンのアウトリガーを最大限に張り出して作業を行った.
この後,6本目の設置作業のため移動式クレーンを約1m前進させたが,民家のブロック塀が支障となったため,右側のアウトリガーを前後とも張り出さない状態のまま,ボックスを仮置き場所から2本掛けで玉掛けしてつり上げ,右旋回しながら設置場所に下ろそうとしたとき,移動式クレーンが右側に横転した.
このときの移動式クレーンの作業半径は9.6m~10.5mであり,ジブの傾斜角は10゜,旋回角右方向31.4゜であり,事故当時の定格荷重は0.6t~0.95tであった.
なお,移動式クレーンの運転者及び玉掛け作業者はともに資格を有していたが,過負荷防止装置は解除された状態であった.
 
 
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