クレーンの災害事例
CR97012
事  例

クローラクレーンが転倒

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 クローラクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因
  1. 災害発生時のクローラクレーンのジブの傾斜角は33度,作業半径は8.2mであり,この時の定格荷重は386kgであったが,明らかに定格荷重を超える鉄板(重量805kg)をつったこと.
  2. 移動式クレーンを用いて作業を開始する前に,つる荷の重量,使用するクローラクレーンの能力と作業半径等について十分な検討がなされていなかったこと.また,つり荷が変更され重量が約1.6倍重くなったにもかかわらず,これについて検討をしていなかったこと.
  3. クローラクレーンの過負荷防止装置は,実荷重を巻上ワイヤロープの張力により検出し,巻上ワイヤロープの掛数「ワイヤー掛数切換」を設定することによって演算される構造のものであったが,災害時には,巻上ワイヤロープを2本掛けで使用していたのに,「ワイヤー掛数切換」スイッチは1(1本掛け)となっていたため,過負荷防止装置が作動しなかったこと.
  4. 移動式クレーンの運転について一定の合図を定め,合図を行う者を指名して,その者に合図を行わせていなかったこと.
対  策
  1. 移動式クレーンを用いて作業を行うときは,運搬しようとする荷の重量,使用する移動式クレーンの能力を考慮し,定格荷重を超える荷をつることがないよう,また,転倒を防止するための方法等について作業開始前に検討を行うとともに,関係労働者に周知すること.また,変更された場合についても同様に行うこと.
  2. 作業開始前に,過負荷防止装置等の安全装置については,実際に作動させる等の事前の点検を行うこと.
  3. 移動式クレーンを運転するときは,一定の合図を定め合図を行う者を指名して,その者に合図させること.
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