クレーンの災害事例
CR97042
事  例

移動式クレーンが転倒

[あらまし]
業  種 土木工事業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因
  1. 転倒時のジブの長さ,角度から,当該トラッククレーンのアウトリガーが最大張り出しであった場合の定格荷重は130kgと推定されるが,現実にはアウトリガーを最小張り出し状態で重量800kgの鉄板をつったため,明らかに過負荷の状態で作業を行っていたこと.
  2. アウトリガーの左側の垂直シリンダーが極端に長くなっていたが,油圧系統の故障等は確認されていないので,被災者がレバーの操作を誤り,左側アウトリガーの垂直シリンダーを伸ばし過ぎたため,車体の傾きがさらに大きくなり倒れたものと推定されること.
  3. つり上げ荷重1t以上5t末満の移動式クレーンの運転については,クレーン運転士免許の所持者又は小型移動式クレーン運転技能講習の修了者が行う必要があるが,被災者は無資格であったこと.また,玉掛けの業務についても被災者は無資格であったこと.
対  策
  1. つり上げ荷重が1t以上の移動式クレーンの運転の業務及び玉掛けの業務を行う場合には,必ず有資格者を就かせるとともに,クレーン等にかかる作業を行う場合には,従事する労働者が必要な資格を有しているか否かを事前に確認すること.
  2. 移動式クレーンを用いて作業を行うときは,転倒等による危険を防止するため,あらかじめ荷の質量,荷の積卸し位置等を検討し安全な作業方法について事前に定めるとともに関係者に周知させること.
  3. 移動式クレーンに係る作業を行うときは,アウトリガーを最大限張り出して作業を行うこと.
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