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あらまし |
災害が発生した事業場は,粒状のプラスチック原料を射出成形機,ブロー成形機等により家庭用プラスチック製品を製造しており,製品の袋詰めやラップ包装をしたあと段ボール箱に詰めて卸問屋へ出荷,納品する業務を行っている.
被災者は,従来から主として製品を段ボール箱に詰め込む作業に従事し,災害発生当日もこの作業に就いていたが,午後4時頃,製品箱詰め用の段ボールがなくなったため,製造工場の2階にある段ボール倉庫に取りに行った.
製造工場の入口には段ボールを運搬するためのエレベ一夕一が設置されており,被災者はこれで運搬しようと,1階に置いてあった台車(手押車)をエレベーター搬器内に積み込み1階フロアのボタンスイッチを操作して2階へ上昇させたところ,搬器からはみ出していた台車の取っ手が2階昇降路の作業床にぶっつかり,搬器が停止してしまった.被災者は2階へ上がって,床につかえている部分を直そうと身体をのり出した途端,台車の取っ手が折れて搬器が上昇したため,台車と2階昇降路の作業床に頭部を挟まれた.
このエレベーターには積載荷重の表示はなかったが,エレベーター構造規格,ホイストの定格荷重,搬器の許容応力等から判断して,当該エレベーターの積載荷重は400kgであったと推定され,通常の作業はその範囲内で使用されていた.
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