事　　例	滑落した荷が激突
業　　種	貨物運送事業	機　　種	ホイールクレーン
被　　災	死亡　１名　負傷　１名	現　　象	つり荷、つり具が激突

あらまし

別荘の新築工事現場において，建材として使用するコンクリートパネル（コンパネ）をトラックの荷台から降ろすために，荷台上で約１００枚のコンパネを２本のナイロンスリングで荷掛けし，ホイールクレーン（つり上げ荷重２５ｔ）で約１０ｍの高さにつり上げたところコンパネが滑落し，トラックの荷台の上にいた被災者２名をはね飛ばした． 災害の発生地は，ログハウスと呼ばれる木造平屋建の別荘の新築工事現場であり，災害が発生した時の現場はコンクリート基礎工事が終わった段階であった． 災害発生当日は，トラック３台で運び込まれた丸太材（ログ材）と板材の荷降ろし作業が行われた．１台目のトラックから発泡スチロール製の断熱材をホイールクレーンにより所定の場所に荷降ろしした後，２台目のトラックの荷降ろしに取り掛った．荷の断熱材を手作業で降ろしてから，被災者Ａの指示によりＢは１枚あたり１２ｋｇのコンパネ約１００枚（重量約１.２ｔ）を積み重ねて２本のナイロンスリングを用いて荷台の上で荷掛けを行った後，降りてきた補巻フックにスリングのアイをかけた．この作業では，道路沿いの電線を越えて荷降ろしする必要があったため，ホイールクレーンの４段のジブは最大に延ばした状態になっていた． 荷掛けが終了すると，ホイールクレーンの運転者は荷をゆっくりつり上げたが，約１０ｍつり上げたとき，突然コンパネ全部が滑落し，トラックの荷台上にいたＡとＢを跳ね飛ばした．Ａはトラック荷台の後方ヘ，Ｂは左側へ落下した． このときのホイールクレーンのジブの角度は７４度，長さは２８ｍ，作業半径約７ｍ，アウトリガーは最大張出しの状態であり，定格荷重は３.３ｔであった．