クレーンの災害事例
CR97121
事  例

移動式クレーンが転倒

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 事故は,高架橋新設工事のうち橋脚,橋台等の下部基礎工事現場において,リース業者からオペレータ付きで持ち込まれたホイルクレーン(つり上げ荷重25t)を使用し,トレーラにより現場に運ばれてきた鉄筋資材を卸す作業中に発生した.
異形鉄筋(長さ12m,直径32mm)の1束60本(重量約9t)を両端アイ付きの玉掛け用ワイヤロープ2本を用いて半掛けし,さらにそれぞれのアイに両端フック付きの片方のフックを掛け,他方をクレーンのフックに掛けた.
ホイールクレーンの運転者が左前方でつり荷を地切りしたところ,過負荷防止装置が作動して警報が鳴ったため,一旦つり荷を卸し,ジブを約70度の角度に起こして,若干左旋回させ,クレーンフックの中心をつり荷の中心線上に置いた.続いてつり荷を引っ張るような格好でつり上げると,荷が大きく揺れたがそのまま右旋回をしたところ,つり荷に引っ張られるようにクレーンがゆっくり傾き,5~6秒後に左側方向に転倒した.
転倒時のホイールクレーンのジブの長さは24.5m,ジブの傾斜角は約70度,作業半径は6.7mであり,定格荷重は約9.5tであった.また,このとき,すべてのアウトリガーは最大張り出しの状態で使用しており,後部アウトリガーはアスファルト道路に直接敷設し,前部は地面の上に盤木を敷いてあったが,地面へめり込んでいた.
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