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あらまし |
災害発生時,製鉄所の鋼管工場内では,被災者が従事していたライン照明工事のほか既存機械装置の防護策の新設,通路の新設等の製造設備に関する安全対策工事がそれぞれ別々の業者により同時並行して行われており,同一工場内において多数の工事関係者が混在して作業をしていた.
被災者らが従事していた作業は,鋼管工場内の点検用デッキと工場内の柱に水銀灯を取り付ける等の電気設備設置工事であった.
災害発生当日の午後,被災者ほか2名はクレーンの点検デッキに水銀灯を取り付ける作業に従事していたが,約1時間経ったところでその作業を被災者1人に任せ,他の2名はケーブル線を取り付ける作業に移った.この2人の作業者が地上でケーブルをひき延ばしていたところ,同工場に設置してある天井クレーン(つり上げ荷重10.068t)が,被災者の作業している点検デッキの方に移動してきたので,2人は安全確認のため急いで点検デッキのところへ上がっていったところ,被災者が点検デッキとクレーン昇降デッキとの間に頭部を挟まれているのを発見した.
このクレーンは,同じ建家内で別の安全衛生対策工事に使用したパイプの残材を運搬するために,他の建家でクレーン運転に従事していた運転士がこの建家にきて運転操作をしていた.
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