クレーンの災害事例
CR98121
事  例

移動式クレーンが転倒し挟まれる

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 本災害は,移動式クレーン(つり上げ荷重4.9t)により,立坑内にシールドマシン(重量1.8t)を下ろす作業をしていたところ,当該クレーンに過負荷がかかり転倒したため,立坑上に設置されていたテルハの上にいた被災者がつり荷とテルハとの間に挟まれたものである.
災害発生当日の朝,被災者は同僚3名と作業現場に到着した後,元方事業者の現場監督から当日の作業について指示を受け待機していたが,シールドマシンを積んだトラックが到着したのでその積み卸し作業に取りかかった.当初,積み卸しにはテルハを使用する予定であったが,立坑上の通路の手すりが障害となるため,元方事業者の用意した移動式クレーンを用いて行うこととなった.
シールドマシンをトラックから地上に卸した後,被災者の同僚3名は立坑内に入り,地上には被災者のほか現場監督と移動式クレーンのオペレーターが残った.まず,現場監督の指示によりマシンの操作盤を立坑内に卸し,次に,被災者の合図によりシールドマシン本体を立坑入り口に設けられたテルハの上部梁より少し高い位置までつり上げた.ところが,つり荷の位置がテルハレールのほぼ真上にきており卸すことができなかったため,被災者は荷の向きを変えようとテルハ上部の梁に上り,オペレーターに水平移動(巻き上げとジブ倒し)の合図を送った.
オペレーターはその合図に従ってジブを倒していったが,間もなくして過負荷防止装置が作動しジブが停止してしまったため,過負荷防止装置を解除し,さらに,ジブを倒すと同時に巻き下げを開始したところ機体が傾きはじめ,被害者が倒れかかってきたつり荷とテルハの梁に挟まれた.
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