クレーンの災害事例
CR99011
事  例

つり荷のH鋼が転倒して下敷き

[原因と対策]
業  種 製造業 機  種 橋形クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
 
あらまし 本災害は,橋形クレーン(床上操作方式,つり上げ荷重2.8t)を使用して,H鋼をハッカーにより玉掛けし積み卸しの作業を行っていたとき,ハッカーがH鋼から完全に外れていない状態のままクレーンを巻き上げたため,H鋼が転倒し運転操作をしていた被災者がそれに巻き込まれて下敷きとなったものである.
災害発生当日の午前中,被災者はH鋼(長さ7.5m,重さ0.75t)に付属品を溶接により取り付け,これをトラックに積み込んで同一敷地内の別棟の工場に運ぶ作業に従事した.午後からは一旦別の作業を行った後,午前中にトラックで別棟の工場に運び込んだH鋼を荷台から卸す作業に取りかかった.
作業は被災者がクレーンの運転操作をし,同僚が玉掛けと荷卸し位置等の合図を行うこととし,玉掛け用具は積み込むときと同様にハッカーを用いた.ところが工場内にはH鋼の荷卸しに必要な空いたスペースが見あたらなかったため,荷卸しをするH鋼と同じ大きさのH鋼が既に3本並べて置かれている場所の上に,さらに2段積みをすることにした.1段目(下からは2段目)の3本を積み終え,被災者と同僚がその上に上がってそこに4本目のH鋼を卸した.続いて,被災者が手前側のハッカーを引き寄せて外しクレーンをペンダント操作により巻き上げたところ,反対側のハッカーが完全に外れていなかったため,H鋼が被災者の方に倒れ,同僚は直ちに避難したが被災者は避けきれずにH鋼と共に転落しその下敷きとなった.
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