クレーンの災害事例
CR99021
事  例

玉掛用具が外れ顔面に当たる

[原因と対策]
業  種 製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
 
あらまし 本災害は,天井クレーン(床上操作方式,つり上げ荷重3t)を被災者が運転し,玉掛けした荷を巻き上げようとしたところ,荷が上がってこなかったため,玉掛用具の様子を見ようとのぞき込んだとき,玉掛用具が突然外れて跳ね,被災者の顔面を直撃したものである.
災害のあった事業場では鋼線の伸線作業を行っており,伸線された鋼線はターンテーブル式に回転するスイフトと呼ばれる装置にセットされたキャリアに巻き取られるようになっており,巻き取った鋼線の重量に応じてキャリアが床面の方に沈んでいき,巻き取りが終わったキャリアはクレーンによりつり出されるようになっていた.
当日の作業は,被災者と同僚の2名で進められた.キャリアへの鋼線の巻き取りが終了したため,これをつり出す作業に取りかかった.
まず,被災者がクレーンを運転してキャリアの上まで移動させ,両端フック付き玉掛けワイヤロープのそれぞれのフックを2人で一つずつキャリアに掛け,続いて被災者が巻き上げ操作を行った.ところが,一方のフックが誤ってキャリアではなく伸線機の一部として床面に設置されているスイフトに掛けられていたためキャリアをつり上げることができなかった.
このため,被災者がキャリアをのぞき込んだところ一方のフックが跳ね,被災者の顔面を直撃した.
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