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あらまし |
本災害は,移動式クレーン(ホイールクレーン,つり上げ荷重25t)により荷をつり上げて旋回したところ,クレーン機体の重心が移動して転倒し,ジブの先端が歩行中の作業者に激突して発生したものである.
災害のあった現場では,当日持ち込まれてきた資材をホイールクレーンを使用してトラックから積み卸す作業を行うことになっていた.この時,ホイールクレーンは道路上に設置されていたが,道路面以外は地盤が悪かったため,前方右側のアウトリガーを約30cm張り出しただけで他のアウトリガーは全く張り出さない状態で据え付けていた.また,道路面には若干の傾斜があったため,フロートと敷材により高低の調整をしたが前後方向,左右方向ともに少し傾いた状態になっていた.
このような状態のまま最初の積み卸し作業を行おうとして荷を巻き上げたところ,過負荷防止装置の警報が作動したがそのまま作業を続行した.次に2回目の積み卸し作業は事前に過負荷防止装置を切った状態にして行い,荷をつり上げて左旋回し,側方付近まできたところ右側のアウトリガーが浮き始めた.そのため,あわてて右方向にジブを旋回させたがホイールクレーンは転倒し,近くを通りかかった作業者が転倒したクレーンのジブに接触して負傷した.
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