|
あらまし |
トラックで現場に持ち込まれたALC板(軽量コンクリート版)をクライミングクレーン(つり上げ荷重12t)により建設中の建屋の9階に荷卸しする作業にあたり,被災者はトラックの荷台上でALC板の玉掛けをし,9階では被災者の同僚3名がALC板の受け取りと所定場所への運搬を行い,クレーンの操作は元方事業者のクレーン運転士が行っていた.
トラックに積み込まれたALC板は,2本のりん木(枕木用角材,10cm角,長さ50cm,質量4kg)の上に3枚重ねて置かれ,更にその上にりん木2本を置いて3枚のALC板が重ねられていた.
荷卸し作業は下部のりん木とトラック荷台との間に繊維ベルトを通し,一度に6枚のALC板を玉掛けしてつり上げる作業を繰り返した.
トラック1台分のALC板を全て荷卸ししたため,ALC板と一緒につり上げられたりん木をトラックに戻すことになり,9階の荷卸し場では同僚の作業者がりん木を土のう袋に入れ,玉掛け用の繊維ベルトに番線で縛り付けた.同僚作業者は,トラック荷台上の被災者に荷卸しの連絡をしたうえクレーン運転士に合図を送り,クレーンをトラック荷台上に旋回させ,降下させていたところ,荷を縛っていた番線が解け,りん木が落下して被災者の頭部に当たった.
|
|