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あらまし |
本災害は,水道管の鋼管工事を行っていた現場において,積載形トラッククレーン(最大積載量3000kg,つり上げ荷重2.93t)を用い,積み荷のシートパイルをつり上げたところ,トラッククレーンが横転し,クレーンを操作していた被災者が巻き込まれて重傷を負ったものである.
災害発生当日,被災者は積載形トラッククレーンの荷台に土止め支保工用の資材(シートパイル15枚,総重量4560kg)を積み込み,当該トラッククレーンを運転して作業現場の掘削溝に横付けした.荷台上のは5枚重ねの山がクレーン荷台後部から運転席方向を見て左側方向(掘削溝側)に,10枚重ねの山が右側に積載されていた.
現場責任者からシートパイルを掘削溝の中に下ろすよう指示をうけた被災者は,トラッククレーンの荷台に上がり,10枚重ねのシートパイルの山(約3050kg)を2本のワイヤロープで玉掛けしたが,この作業には被災者の他に2名の作業者が従事しており,1名は荷台の上でシートパイルの揺れを押さえる補助作業を,もう1人は荷台後方の道路上でつり上げたシートパイルがバランスを失わないように荷下ろしの補助の作業を行っていた.
被災者は荷台の上から地上に降りて,トラッククレーンと掘削溝との間に立ち,自らクレーン操作をして玉掛した10枚のシートパイルを掘削溝側に下ろそうとジブを旋回させたところ,クレーン機体が掘削溝側に傾きはじめた.被災者はこれを回避しようとしたが間に合わず,クレーンと地面との間に挟まれ被災した.
災害発生当時はクレーンと掘削溝との間隔が十分でなかったため,アウトリガーの張り出しは半分程度にしていた.
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