クレーンの災害事例
CR99121
事  例

移動式クレーンが転倒

[原因と対策]
業  種 その他の土木工事業 機  種 ホイールクレーン
被  災 死亡 1名 負傷 2名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 河川敷に公園を造成する工事現場において,工事で使用する不整地運搬車(機体質量1.9t)を橋の上から移動式クレーン(ホイールクレーン,つり上げ荷重45t)により約30m下の河川敷に下ろす作業にとりかかった.
まず,移動式クレーンを橋の上の走行車線に沿って横付けして設置し,アウトリガーを張り出したが,周囲の状況から歩道側は最大限まで張り出したものの,走行車線側は殆ど張り出すことができなかった.次に,不整地運搬車を移動式クレーンの前まで移動させて玉掛けしたが,移動式クレーンのオペレーター位置からは荷の着地位置が見えなかったため,被災者が橋の欄干から下の河川敷を見ながらオペレーターに合図を送っていた.
オペレーターは一旦地切りをした後,ジブを90度旋回して巻下げをしていたが,荷が河川敷に着地しそうになったため,合図者(被災者)は巻下げを一旦停止し,ジブを伸ばすように指示した.オペレーターはこの合図に従ってジブを伸ばしていたが,突然警報ブザーが鳴り始めたので伸張操作を止めた.ところが,合図者からはさらにジブを伸ばすように指示してきたため,ゆっくりと伸ばしていたところ移動式クレーンが傾き始め,転倒し,橋の欄干を破壊して河川敷に転落した.
このとき,合図者はクレーンと欄干との間に挟まれて死亡,オペレーター及び河川敷で作業していた労働者はそれぞれ負傷した.
cr99121.gif
 
 
[ホーム]