状 況 |
ドック内で修理作業中の船舶に取り付けられたプロペラ(スクリュー,質量20t)を取り外して移動させるため,ウインチの操作者は油圧ウインチと組合せ滑車を使用してプロペラをつり上げた後,つったままの状態で一旦電源を切り,その場所を離れて次の作業場所に移動した.
一方,岸壁に設置された高脚ジブクレーン(つり上げ荷重10t,走行式)の運転士が船舶の機関室に積み込む部品を吊って船首方向から船尾方向に走行してきたところ,プロペラをつり上げていた滑車のワイヤロープに接触しそうになった.付近で作業をしていた作業者がクレーンの接近に気付いて,直ちにクレーンの車輪付近に設置されている非常ボタンを押してクレーン運転士に知らせたため,事故を回避することはできたがヒヤリとした.
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原 因 |
- 滑車でつったプロペラをクレーンの走行範囲内に移動させたまま放置していたこと.
- 各作業者間の連絡が不十分であったこと.
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対 策 |
- クレーンの走行範囲内に障害となるものを放置しないこと.
- 監視人の配置,ストッパ設置等の安全対策を実施すること.
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