ヒヤリハット事例
H990209
事  例

帯電現象で電撃を受ける

業  種 造船業 機  種 ジブクレーン 現  象 感電・電撃
状  況 岸壁に設置されたタワー型ジブクレーン(つり上げ荷重10t)により,ぎ装作業中の船内からぎ装製品(質量3t)を陸揚げする作業中に起こったヒヤリ体験.
つり荷であるぎ装製品に玉掛けワイヤロープを掛けた後,片手でそのワイヤロープを握った瞬間,手のひらとワイヤロープの間に火花が発生した.直ちに手を離したが,電撃のため姿勢が崩れてヒヤリとした.着用していた皮手袋には直径3mm位の小さな穴があいていた.
玉掛作業者の革手袋には中央部に小さな穴があいていたが,玉がけをするときはたまたまその穴を避けた状態で作業したものの,巻き上げ用ワイヤロープを握ったときは穴の部分から電流が流れた.
原  因
  1. ぎ装品の無線テスト中の電波発信により,タワークレーンが帯電していた.
  2. 穴のあいた革手袋を使用していたこと.
対  策
  1. 無線テストの電波発信日時を事前に通知し,作業者全員に周知徹底する.
  2. 当該ぎ装船のマストに無線テスト中の警戒旗を掲げるようにした.
  3. 電波発信中は付近のタワークレーンの運転を停止するようにした.
  4. 作業開始前に手袋等の作業衣類についても点検も行うことにした.
教  訓 無線電波による帯電現象についての危険予知教育を実施しよう.
 
 
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