通 達
石綿障害予防規則等の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する
法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における
情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行について
関係団体の長 殿
都道府県労働局長 殿
基発0113第2号
基発0113第1号
厚生労働省労働基準局長 令和4年1月13日
基発0113第2号
令和4年1月13日
関係団体の長 殿
厚生労働省労働基準局長
 
石綿障害予防規則等の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行について
 
 日頃から労働基準行政の推進に格段の御理解・御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 建築物、工作物及び船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体工事及び改修工事における石綿等へのばく露による健康障害の防止に関しては、厚生労働省において開催した「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」の議論を踏まえ、石綿障害予防規則等の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第134号)が公布され、令和3年4月1日(一部規定は令和2年10月1日、令和4年4月1日、令和5年10月1日)から施行するとされたところです。
 今般、同検討会において引き続き検討することとされていた、船舶の解体又は改修の作業を行う際の事前調査(石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第1項に規定する石綿等の使用の有無に係る調査をいう。以下同じ。)を行う者の要件及び、船舶の解体・改修工事に係る労働基準監督署への事前調査の結果等の報告の対象範囲等についても方向性が示されたことから、石綿則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)について、所要の改正を行うこととしました。
 本改正等の内容については、別添により都道府県労働局長に示したとおりですので、貴団体におかれましても、この趣旨を御理解いただくとともに、会員企業その他関係者に対する本改正等の内容の周知に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
基発0113第1号
令和4年1月13日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長
 
石綿障害予防規則等の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行について
 
 石綿障害予防規則等の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第3号。以下「改正省令」という。)が令和4年1月13日に公布され、一部規定を除き、同日から施行されたところである。その改正の趣旨、内容等は下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。
 
 
1 趣旨
建築物等(建築物、工作物及び船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の解体工事及び改修工事における石綿等へのばく露による健康障害の防止に関しては、厚生労働省において開催した「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」の議論を踏まえ、石綿障害予防規則等の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第134号)が公布され、令和3年4月1日(一部規定は令和2年10月1日、令和4年4月1日、令和5年10月1日)から施行するとされたところである。
今般、同検討会において引き続き検討することとされていた、船舶の解体又は改修の作業を行う際の事前調査(石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第1項に規定する石綿等の使用の有無に係る調査をいう。以下同じ。)を行う者の要件及び、船舶の解体・改修工事に係る労働基準監督署への事前調査の結果等の報告の対象範囲等についても方向性が示されたことから、石綿則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省第44号)について、所要の改正を行った。
2 改正の要点
(1)船舶の解体又は改修の作業を行う際の事前調査を行う者の要件等(石綿障害予防規則等の一部を改正する省令による改正後の石綿則(以下「新石綿則」という。)第3条第4項及び第7項第9号関係)
事業者は、船舶に係る事前調査については、石綿則第3条第3項各号に規定する場合を除き、適切に当該調査を実施するために必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものに行わせなければならないこととしたこと。
また、事業者は、船舶に係る事前調査等(事前調査及び新石綿則第3条第5項に規定する分析調査をいう。以下同じ。)を行ったときに記録を作成し、及び3年間保存する事項、並びに当該船舶に石綿等が使用されている場合(石綿等が使用されているものとみなす場合を含む。)に当該船舶の解体又は改修の作業を行う作業場に備え付ける当該記録の写しの事項として、当該事前調査等を行った者の氏名及び厚生労働大臣が定める者であることを証明する書類の写しが必要であることとしたこと。
(2)船舶の事前調査の結果等の報告(新石綿則第4条の2関係)
総トン数が20トン以上の船舶に係る解体工事又は改修工事の事前調査の結果等を所轄労働基準監督署長に報告しなければならないこととしたこと。
(3)事前調査の結果等の報告の様式(新石綿則様式第1号関係)
(2)の改正等を踏まえ所要の様式改正を行ったこと。
(4)書面の保存に代えて電磁的記録の保存ができる事項の追加(厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令別表第1関係)
書面の保存に代えて電磁的記録の保存ができる事項として事前調査結果の記録の備え付けを追加したこと。
3 細部事項
(1)船舶の解体又は改修の作業を行う際の事前調査を実施するために必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものの具体的な要件(新石綿則第3条第4項及び第7項第9号関係)
船舶の解体又は改修の作業を行う際の事前調査を実施するために必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものの具体的な要件は、別途告示において定めるものであること。
(2)平成18年9月1日以降に着工若しくは輸入又は定期検査等を実施した船舶に係る事前調査の結果等の報告の取扱い(新石綿則第4条の2関係)
船舶は、定期的に同一の部分について修理等の改修を行うものがあるが、船舶のうち、石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物の使用が全面的に禁止された平成18年9月1日以降に着工した船舶については、石綿等が使用されていないことが明らかであることから、平成18年9月1日以降に着工又は輸入した船舶について、新石綿則第4条の2に基づく報告を行った部分のその後の改修工事に際しては、再度の報告は不要であること。
また、船舶は船舶安全法(昭和8年法律第11号)に基づく定期検査又は中間検査(以下「定期検査等」という。)の際に解放検査(船舶安全法施行規則(昭和38年運輸省令第41号)第24条及び第25条に規定する解放検査をいう。以下同じ。)が要求され、その際にガスケット等の部品の交換等が行われることから、平成18年9月1日以降に解放検査を伴う定期検査等を実施した場合は、当該定期検査等に伴い解放した部分の改修工事について新石綿則第4条の2に基づいて報告を行った部分と同一部分の改修工事に際しては、2回目以降の報告は不要であること。
(3)建築物等に係る事前調査の結果等の報告事項(新石綿則様式第1号関係)
ア 船舶に係る事項
船舶に係る事前調査の結果等の報告は、建築物及び工作物と同様、様式第1号により行うものであること。ただし、船舶については「解体工事を行う床面積の合計」及び「解体工事又は改修工事の請負金額」の報告は不要であり、船舶の構造の概要については総トン数を工事の概要と併せて記載すれば足りること。
イ 建築物等に係る共通事項
①「担当者のメールアドレス」は任意の報告項目であるので、空欄でも差し支えないこと。
②「建築物等の概要」のうち、「構造」、「耐火」、「延べ床面積」、「階数」(地上階及び地下階)は、建築物に係る工事が含まれない場合は記載を要しないこと。なお、工作物及び船舶にあっては、「その他工作物・船舶」の欄において該当する工作物又は船舶を選択するとともに、工事の対象となる工作物又は船舶の名称や種類及び解体工事又は改修工事の別は工事の概要欄に記載すること。
③解体工事又は改修工事の実施期間、石綿に関する作業の開始時期及び作業に係る石綿作業主任者は、報告時点における予定を記載すれば足りること。
④事前調査の結果及び予定する石綿の除去等に係る措置の内容は、作業対象となる材料について記載すれば足りること。また、その他の材料には、ガスケット、パッキン等が含まれる趣旨であること。
4 施行日及び経過措置
改正省令は、公布日から施行することとしたこと。ただし、2(4)の一部については、令和5年10月1日から施行することとしたこと。
なお、2(1)から(3)については、石綿障害予防規則等の一部を改正する省令(2(1)関係は令和5年10月1日施行、(2)及び(3)関係は令和4年4月1日施行。)の改正であるため、実際に改正規定が施行されるのは2(1)については令和5年10月1日、(2)及び(3)については令和4年4月1日であることに留意すること。
また、石綿障害予防規則の一部を改正する省令附則第2条において規定された建築物及び工作物の解体又は改修の作業等に係る経過措置と同様に、船舶の解体又は改修工事であって令和4年4月1日の前に開始されるものについては新石綿則第4条の2第1項の規定は適用せず、船舶の解体等の作業であって令和5年10月1日より前に開始されるものについては、新石綿則第3条第4項、第6項及び第7項第9号の規定は適用しないものであること。

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