通 達
移動式クレーン構造規格で引用する日本産業規格の改正について
一般社団法人日本クレーン協会会長 殿
都道府県労働局労働基準部長 殿
基安安発0218第7号
基安安発0218第6号
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 令和4年2月18日
基安安発0218第7号
令和4年2月18日
一般社団法人日本クレーン協会会長 殿

厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長

 
移動式クレーン構造規格で引用する日本産業規格の改正について
 
 移動式クレーン構造規格(平成7年労働省告示135号)の改正については、平成30年2月26日付け基発0226第2号により通達したところでありますが、通達で引用する日本産業規格が改正されることとなりました。
 今回の改正に伴い、都道府県労働局労働基準部長あてに別添のとおり通達していますので、御了知ください。
 
基安安発0218第6号
令和4年2月18日
都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長
 
移動式クレーン構造規格で引用する日本産業規格の改正について
 
 移動式クレーン構造規格(平成7年労働省告示135号。以下「構造規格」という。)の改正については、平成30年2月26日付け基発0226第1号(以下「施行通達」という。)により通達したところであるが、施行通達で引用する日本産業規格の一部が改正されることとなったことに伴い、下記の事項について了知の上、関係者への周知をお願いする。
 
 
1 改正される日本産業規格
施行通達で引用する「日本工業規格JISB8833-1(クレーン-荷重及び荷重の組合せに関する設計原則-第1部:一般)」(平成29年7月1日に名称は日本産業規格に変更)及び「日本工業規格JISB8833-2(クレーン-荷重及び荷重の組合せに関する設計原則-第2部:移動式クレーン)」(平成29年7月1日に名称は日本産業規格に変更)(以下あわせて「JIS」という。)
なお、改正は令和4年2月25日を予定している。
2 改正後のJISに係る施行通達の解釈
(1)施行通達の記のⅡの第2の6の(4)関係
改正後のJISにおいては、巻上げ(巻下げ)駆動による影響は、移動式クレーンの質量による荷重及び定格総荷重に動的影響係数を乗じることによって考慮されることとなること。
このため、改正後のJISにより構造規格第10条の5の荷重の計算をする場合においては、同条第1号二の「駆動による荷重」は、伸縮駆動、旋回駆動及び起伏駆動によって生じる力となること。
(2)施行通達の記のⅡの第2の6の(7)及び9の(3)関係
改正後のJISにおいては、重負荷作業を行わない移動式クレーンにおいても、地上に置かれた荷のつり上げによる荷重を計算に使用することとなること。
このため、改正後のJISにより構造規格第10条の5の荷重の計算をする場合においては、同条第3号イの「地上に置かれた荷のつり上げによる荷重」は、地上に置かれた荷が合理的に予見可能な誤使用(緩んだロープによる荷の地切りの開始)により最高速度で巻き上げられる場合に生じる力となること。
また、改正後のJISにより構造規格第10条の8の強度計算を行う場合は、重負荷作業を行わない移動式クレーンにおいても、同条第1項第5号の荷重の組合せを想定する必要があること。
(3)施行通達の記のⅡの第2の6の(10)関係
改正後のJISにおいては、JISB8833-2(クレーン-荷重及び荷重の組合せに関する設計原則-第2部:移動式クレーン)の箇条5の標題が「5移動式クレーン運転の加減速による荷重」に変更されること。
(4)施行通達の記のⅡの第2の9の(1)のア及びウ関係
改正後のJISにおいては、限界状態設計法に適用する荷重の組合せ及び適用する係数が変更されること。
このため、改正後のJISにより構造規格第10条の8の強度計算を行う場合においては、同条第1項第1号及び第3号の荷重の組合せは、①つり荷を保持中に巻上げ又は巻下げ以外の2種類の同時操作、②つり下げた荷重の一部を操作中に急解放、③地上に置かれた荷を巻上げ中に、旋回、起伏(伸縮)のいずれか1種類の操作、を行うことを想定したものとなること。
(5)施行通達の記のⅡの第2の9の(1)のオ関係
改正後のJISにおいては、重負荷作業を行わない移動式クレーンにおいても、地上に置かれた荷のつり上げによる荷重を計算に使用することとなること。
このため、改正後のJISにより構造規格第10条の8の強度計算を行う場合は、同条第1項第5号の荷重の組合せは、地上に置かれた荷が合理的に予見可能な誤使用(緩んだロープによる荷の地切りの開始)により最高速度で巻上げられることを想定した荷重の組合せとなること。
(6)施行通達の記のⅡの第2の9の(2)関係
改正後のJISにおいては、限界状態設計法に適用する荷重の組合せ及び適用する係数が変更されること。
このため、改正後のJISにより構造規格第10条の8の強度計算を行う場合は、同条第3項の「当該構造部分の強度に関し最も不利となる場合におけるそれぞれの荷重によって計算」については、施行通達の例示に限らず、適切な荷重によって計算をする必要があること。
(7)施行通達の記のⅡの第2の9の(4)関係
平成30年3月に刊行されたJCAS2008-2018(一般社団法人日本クレーン協会規格「移動式クレーンの構造部分に限界状態設計法を適用するための指針」)は、JISの改正後に改定を予定していること。
3 その他
(1)JISの改正日より前に製造された移動式クレーン又はJISの改正日時点において製造している移動式クレーンについては、本通達を適用する必要はないこと。
(2)上記(1)に掲げる移動式クレーン以外の移動式クレーンで、JISの改正日からJISの改正日の12か月後の日の前日までに製造された移動式クレーン又はJISの改正日の12か月後の日の前日時点において製造している移動式クレーンについては、本通達を適用しないことができること。

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