日頃より労働安全衛生行政の推進に格段の御理解・御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
|
保護具着用管理責任者については、「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日付け基発0531第9号)の記の第4の2(2)において、「保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者」から選任することができない場合は、別途示す保護具の管理に関する教育(以下「保護具着用管理責任者教育」という。)を受講した者を選任すること、また、「保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者」から選任する場合であっても、保護具着用管理責任者教育を受講することが望ましいとされているところです。
|
このため、今般、保護具着用管理責任者に対する教育実施要領を別紙のとおり定めましたので、その周知に特段の御配意を賜りますようお願い申し上げます。
|
|
別紙 |
保護具着用管理責任者に対する教育実施要領
|
|
1 目的 |
本要領は、保護具着用管理責任者教育のカリキュラム及び具体的実施方法等を示すとともに、この教育の実施により、十分な知識及び技能を有する保護具着用管理責任者の確保を促進し、もって保護具等の正しい選択・使用・保守管理についての普及を図ることを目的とする。
|
2 教育の対象者
|
本教育の対象者は、次のとおりとする。 |
・施行通達の記の第4の2(2)①から⑥までに定める保護具着用管理責任者の資格を有しない者で、保護具着用管理責任者になろうとする者 |
・上記資格を有する者 |
3 教育の実施者 |
上記2の対象者を使用する事業者、安全衛生団体等があること。 |
4 実施方法 |
実施方法は、次に掲げるところによること。 |
(1) 別表「保護具着用管理責任者教育カリキュラム」に掲げるそれぞれの科目に応じ、範囲の欄に掲げる事項について、学科教育又は実技教育により、時間の欄に掲げる時間数以上を行うものとすること。
なお、 |
①学科教育は、集合形式のほか、オンライン形式でも差し支えないこと。 |
②学科教育と実技教育を分割して行うこととしても差し支えないこと。この場合、以下のア及びイのいずれも満たすこと。 |
ア 実技教育は、学科教育の全ての科目を修了した者を対象とすること。
|
イ 学科教育を修了した者と実技教育を受講する者が同一者であることが確認できること。
|
(2) 講師は、対象となる保護具等に関する十分な知識を有し、指導経験がある者等、別表のカリキュラムの科目について十分な知識と経験を有する者を、科目ごとに1名ないし複数名充てること。
|
(3) 教育の実施に当たっては、教育効果を高めるため、既存のテキストの活用を行うことが望ましいこと。特に、呼吸用保護具については、日本産業規格T8150(呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)の内容を含む等、別表のカリキュラムの科目について内容を十分満足した教材を使用すること。
|
(4) 安全衛生団体等が行う場合の受講人数にあっては、学科教育(集合形式の場合)は概ね100人以下、実技教育は概ね30人以下を一単位として行うこと。
|
5 実施結果の保存等 |
(1) 事業者が教育を実施した場合は、受講者、科目等の記録を作成し、保存すること。
|
(2) 安全衛生団体等が教育を実施した場合は、全ての科目を修了した者に対して修了を証する書面を交付する等の方法により、当該教育を修了したことを証明するとともに、教育の修了者名簿を作成し、保存すること。
|
6 実践的な教育・訓練等の実施
|
保護具等や機器等に習熟する観点から、教育を修了した者は、保護具メーカーや測定機器メーカーが実施する研修や、これらメーカーの協力を得て行う教育・訓練等、実践的な教育・訓練等を定期的に受けることが望ましいこと。
|
|
【別表】 |
保護具着用管理責任者教育カリキュラム
|
学科科目 |
範囲 |
時間 |
Ⅰ 保護具着用管理 |
①保護具着用管理責任者の役割と職務
②保護具に関する教育の方法 |
0.5時間 |
Ⅱ 保護具に関する知識 |
①保護具の適正な選択に関すること。
②労働者の保護具の適正な使用に関すること。
③保護具の保守管理に関すること。 |
3時間 |
Ⅲ 労働災害の防止に関する知識 |
保護具使用に当たって留意すべき労働災害の事例及び防止方法 |
1時間 |
Ⅳ 関係法令 |
安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項 |
0.5時間 |
実技科目 |
範囲 |
時間 |
Ⅴ 保護具の使用方法等 |
①保護具の適正な選択に関すること。
②労働者の保護具の適正な使用に関すること。
③保護具の保守管理に関すること。 |
1時間
|
|
(計6時間) |