行 政
令和8年度における建設業の安全衛生対策の推進について(要請)
一般社団法人日本クレーン協会会長殿 基安安発0330第3号
基安労発0330第3号
基安化発0330第3号
厚生労働省労働基準局安全衛生部
安全課長
労働衛生課長
化学物質対策課長
令和8年3月30日
令和8年度における建設業の安全衛生対策の推進について(要請)
 
 平素より労働安全衛生行政の推進に格別の御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年の建設業における労働災害発生状況を見ると、死亡者数(令和8年2月速報)は209人となっており、前年同期の223人と比べ6.3%程度減少となるものの、全産業(665人)に占める建設業の割合は31.4%と、依然として業種別で最も高い割合となっています。
 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)が令和7年5月に公布され、同法及び関係政省令が順次施行されているところであり、労働災害の着実な減少に向け、各種措置の履行確保に加え、実効ある安全衛生対策を推進することが求められています。
 このため、今般、別添のとおり「令和8年度における建設業の安全衛生対策の推進に係る留意事項」を定めましたので、傘下の関係者等に御周知されること等により、引き続き、建設業の安全衛生対策の推進に特段の御配慮を賜りますよう御協力をよろしくお願いいたします。
 
令和8年度における建設業の安全衛生対策の推進に係る留意事項
 
1 労働者の安全確保のための対策
(1) 墜落・転落災害防止対策
 建設業における労働災害による死亡者数(死亡災害)の約3割、休業4日以上の労働災害による死傷者数(死傷災害)の約3割を占める墜落・転落災害を防止するため、次の対策を推進する。
ア 足場等からの墜落・転落防止対策
【厚生労働省が行うこと】
墜落・転落災害のうち足場等を起因物とする死亡災害は約16%、死傷災害は約12%を占めている(令和6年確定値。以下同じ。)。
これらの災害を防止するため、幅が1メートル以上の箇所における一側足場の原則使用禁止を含め、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)に基づく措置の一層の徹底を図るとともに、あらゆる機会を活用し、「手すり先行工法に関するガイドライン」及び「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」(平成24年2月9日付け基安発0209第2号、令和5年3月14日最終改正。以下「推進要綱」という。)に基づく「より安全な措置」等の普及・定着を促進する。
また、特に木造家屋等低層住宅建築工事においては、墜落・転落災害が多発していることから、建設業労働災害防止協会(以下「建災防」という。)が作成した「木造家屋等低層住宅建築工事墜落防止標準マニュアル」(令和6年3月。以下「木建マニュアル」という。)の周知とその定着に取り組む。
【事業者が行うこと】
幅が1メートル以上の箇所における一側足場の原則使用禁止を含め、安衛則に基づく各種措置を講ずるとともに、「手すり先行工法に関するガイドライン」及び「推進要綱」に基づく「より安全な措置」等を適切に講ずること。また、墜落・転落災害の防止に関するリスクアセスメントとその結果に基づく措置に取り組むこと。
さらに、推進要綱に基づき、わく組足場における「上さん」の設置、同要綱の別紙「足場等の種類別点検チェックリスト」を活用した十分な知識・経験を有する者による足場の組立て等後の点検を行うこと。
木造家屋等低層住宅建築工事においては、木建マニュアルに基づく措置を適切に実施すること。
イ はしご・脚立からの墜落・転落防止対策
【厚生労働省が行うこと】
墜落・転落災害のうちはしご等(はしごのほか脚立、仮設構台等を含む。)を起因物とする死亡災害は約10%、死傷災害は約30%を占めている。
これらの災害を防止するため、はしご・脚立等の安全な使用を盛り込んだ木建マニュアルの内容を参考に、はしご・脚立等の適切な使用の普及・定着に取り組む。また、リーフレット「はしごを使う前に/脚立を使う前に」を活用した墜落・転落災害防止の徹底について」(令和3年3月17日付け基安安発0317第2号)に基づく周知・指導を行う。
【事業者が行うこと】
木造家屋等低層住宅建築工事においては、木建マニュアルに基づく措置を適切に実施するとともに、リーフレット「はしごを使う前に/脚立を使う前に」、「はしごや脚立からの墜落・転落災害をなくしましょう!」等を活用し、はしごや脚立の使用をできるだけ避け、移動式足場や高所作業車を使用すること、はしごや脚立の安全な使用方法を徹底すること等、墜落・転落災害防止に取り組むこと。
ウ 墜落制止用器具の適切な使用
【厚生労働省が行うこと】
建設業における墜落・転落による死亡災害を見ると、墜落制止用器具を装着していたものの、フックを使用していないケースが多く認められていることから、「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」(平成30年6月22日付け基発0622第2号)の周知徹底を図り、墜落制止用器具の適切な使用の徹底を図る。また、「墜落制止用器具の規格」(平成31年厚生労働省告示第11号)に適合した墜落制止用器具の使用を指導する。
【事業者が行うこと】
上記ガイドラインに基づき、墜落制止用器具の適切な使用を徹底するとともに、墜落制止用器具の使用状況及び取付設備の設置状況等を確認し必要な措置を講じること。また、上記規格に適合した墜落制止用器具の使用を徹底すること。
(2) 自然災害からの復旧・復興工事における労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
自然災害からの復旧・復興工事においては、地山の崩壊等のおそれがある作業、墜落のおそれがある箇所での作業、粉じんにばく露するおそれがある作業、車両系建設機械を用いた作業等において、土砂崩壊防止対策、墜落・転落災害防止対策、石綿粉じん等のばく露防止対策等が確実に講じられているか、安全衛生パトロール等の際に確認し、必要な指導等を行う。
建災防において、復旧・復興工事現場への専門家の派遣、研修会の実施等を行っていることから、同協会各都道府県支部と連携し各工事現場、関係団体に対し周知し効果的な活用を促す。
【事業者が行うこと】
自然災害からの復旧・復興工事では、多数の建設業者により短期間で集中的な工事が行われること、建物の崩壊や地盤の緩み等、作業場所の状態が平常時と異なること等から、災害発生のリスクが高い状況にあることを十分に認識し、土砂崩壊防止対策、墜落・転落災害防止対策、建設機械災害防止対策、石綿粉じん等の暴露防止対策等、労働安全衛生法令や関係のガイドライン等に基づく措置を徹底すること。
また、同工事では、被災地以外の建設業者のほか、災害ボランティア等の建設業者以外の者が作業を行う場合もあること等から、工事区域一帯の危険情報等の共有(災害防止連絡連絡協議会等)に努めること。
(3) 高年齢者の労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
「高年齢者の労働災害防止のための指針」(令和8年2月10日公表)の周知を図る。併せて、エイジフレンドリー補助金の周知を図る。
【事業者が行うこと】
上記指針に基づき、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理等、高年齢者の労働災害の防止のための必要な措置を講ずるよう努めるとともに、事業場の実情に応じて国や関係団体等の支援を活用し、労働者とも連携・協力して取組みを進めること。
請負業者においても、元請業者と連携しつつ、この指針を参考に高年齢者の労働災害防止対策に取組むこと。
(4) 外国人労働者の労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
「職場のあんぜんサイト」及び厚生労働省ホームページに掲載する外国人労働者向けの労働安全衛生に関する視聴覚教材等を周知するなど、効果的な安全衛生教育の実施を促進する。
【事業者が行うこと】
外国人労働者に対する安全衛生教育では、これらの教材を参考に、外国人労働者がその内容を確実に理解できる方法で実施すること。
(5) 一人親方等の安全衛生対策
【厚生労働省が行うこと】
令和8年度委託事業により、労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号。以下「改正法」という。)及び関係政省令等に関する周知媒体や教材等を作成するとともに、同資料を活用し、個人事業者等向けの説明会への講師派遣、巡回指導へのコーディネーター派遣を行う。
また、建設業に従事する一人親方等の死亡災害の把握に努める。
【事業者が行うこと】
建設業に従事する一人親方等が加入する団体において説明会を行うとともに、上記説明会等に積極的に参加すること。
改正法により、令和8年4月から、元方事業者が行う統括管理の対象が労働者だけでなく、労働者以外の作業従事者に拡充されたことから、元方事業者、関係請負人それぞれが改正法に基づく措置を遵守し、混在作業による災害防止の徹底を図ること。また、令和9年1月から、一人親方等による災害(休業4日以上の死傷災害)についても労働基準監督署への報告が義務付けられるため、その徹底を図ること。また、改正内容について、同改正により保護の対象、措置義務の主体となる一人親方等に適切に周知すること。
(6) 建設現場におけるデジタル技術の活用推進による安全衛生管理の向上
【厚生労働省が行うこと】
元方事業者に実施が義務づけられている作業場所の巡視については、一定の場合にデジタル技術を活用して遠隔で実施できることを通知(令和6年6月28日付け基安安発0628第1号「特定元方事業者による作業場所の巡視に係るデジタル技術の活用について」)により示している。今後、実態把握を行うとともに、好事例の周知等を行う予定であり、デジタル技術の活用の推進を通じた建設現場における安全衛生管理の一層の向上を図る。
(7) 転倒災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
転倒災害防止対策の推進について(令和5年5月19日付け基安発0519第4号)に基づき、転倒災害防止対策の周知指導を行う。
【事業者が行うこと】
リーフレット(https://www.mhlw.go.jp/content/001101746.pdf)等を活用し、転倒災害防止のための労働者の身体機能の維持向上や職場環境の改善に取り組むこと。
(8) 交通労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
「交通労働災害防止のためのガイドライン」(平成25年5月28日付け基発0528第2号、平成30年6月1日最終改正)について、周知及び指導を図る。
【事業者が行うこと】
上記ガイドラインに基づく措置を適切に講ずること。
とりわけ、建設資材等の運搬を発注する際は、過積載運行にならないよう実際に荷を運搬する事業者に協力すること。
(9) 建設機械等による労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
建設機械等を起因物とする労働災害による死亡災害が令和7年に53件発生している(※)。災害の概要を見ると、機体に轢かれるもの、機体と物体との間に挟まれるもの、機体とともに転倒するもの等であることから、安衛則に基づく各種措置の徹底を指導する。
また、安全な建設機械の導入を積極的に勧奨する。特に、中小建設事業者等に対しては、「高度安全機械等導入支援補助金」の活用等を積極的に周知する。
(※)令和8年1月速報時点。
【事業者が行うこと】
労働者に建設機械等を使用させる場合は、安衛則に基づき、運行経路等を示した作業計画を定め、関係労働者に周知するとともに、建設機械の転落、接触等により労働者に危険が生じるおそれのある場合は誘導者を配置するなど、必要な安全対策を講ずること。
(10) 建築物の梁等の鉄骨部材等の仮支えを行う仮設構造物の崩壊・倒壊による労働災害防止
【厚生労働省が行うこと】
「建築物の梁等の鉄骨部材等を仮支えする仮設構造物の崩壊・倒壊による労働災害防止に当たっての留意事項について」(令和8年3月10日付け基安発0310第1号)に基づき、仮設構造物の崩壊・倒壊による労働災害防止対策の徹底を図る。
【事業者が行うこと】
同通達に基づき、強度計算の適切な実施、計画策定又は変更時の十分な確認体制による確認等、仮設構造物の崩壊・倒壊による労働災害防止対策を講ずること。
(11) 荷役作業における労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
荷役作業における安全確保を図るため、安衛則に基づく最大積載量2トン以上の貨物自動車に係る荷の積卸し作業時の昇降設備の設置及び保護帽の着用、テールゲートリフターによる荷役作業の特別教育の実施等の徹底を図る。また、荷主等の立場となる事業者(以下「荷主等」という。)に対し「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日付け基発0325第1号、令和5年3月28日最終改正)の周知を図る。
【事業者が行うこと】
安衛則に基づき、昇降設備の設置及び保護帽の着用の徹底を図るほか、必要な労働者に対しテールゲートリフターの操作に係る特別教育を実施すること。また、リーフレット「荷役作業の安全確保が急務です!」(令和3年1月18日付け基安安発0118第2号)に示す取組を実施し、荷役災害防止対策を適切に講ずること。
(12) 交通誘導等の警備業務における労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
令和7年改正労働安全衛生法により、建設現場では、元方事業者を作業場所管理事業者として、警備業者との連絡調整に関する規定が適用される場合があることから、同規定に基づく必要な取組を周知する。
さらに、「未熟練労働者への安全衛生教育マニュアル(警備業編)」(令和元年)を周知する。
【事業者が行うこと】
建設工事の現場等で交通誘導等に従事する労働者に対する安全衛生教育を実施する場合には、同マニュアルを活用すること。
(13) 山岳トンネル工事における労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
山岳トンネル工事において引き続き肌落ち災害が発生していることから、改正した「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」(平成28年12月26日付け基発1226第1号、令和6年3月26日最終改正)の周知を図るとともに、同ガイドラインに基づき、鏡吹付けの原則実施等の措置の徹底を図る。
【事業者が行うこと】
山岳トンネル工事の発注者においては、同ガイドラインに基づき、設計段階における適切な支保パターンの選定のほか、施工段階における地山の状況に応じた設計の変更等の必要な対応を行うこと。また、施工者においては、同ガイドラインに基づき、鏡吹付の実施、切羽への立入禁止措置の徹底、切羽監視責任者による監視等、肌落ち災害防止対策を適切に講じること。
また、現場内は狭あいな箇所で重機等が稼働することから、作業員と重機等との接触防止対策についても確実に講じること。
(14) 伐木等作業における労働災害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
チェーンソーによる伐木等作業に係る安衛則や「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」(平成27年12月7日付け基発第1207第3号、令和2年1月31日最終改正)の周知徹底を図る。
【事業者が行うこと】
チェーンソーによる伐木等作業を行う場合にあっては、対象労働者への特別教育を実施するとともに、立入禁止措置や保護具の着用等の安全対策を適切に実施すること。
(15) 専門工事業者等の安全衛生活動支援事業
【厚生労働省が行うこと】
建設業における労働災害の被災者の約9割は、店社で規模が30人未満のものに所属していることを踏まえ、建設業労働災害防止協会が実施する中小の建設会社(以下「専門工事業者等」という。)における集団指導、現場パトロール等の安全衛生活動を支援するための事業に対して補助を行う。
【事業者が行うこと】
専門工事業者等は、上記事業を活用する等により、自主的に安全衛生活動を行うこと。
(16) 安全衛生経費の確保等
【厚生労働省が行うこと】
令和7年12月から施行されている改正建設業法により、安全衛生経費が「建設工事に従事する労働者による適正な施工を確保するために不可欠な経費」として法令上位置付けられたほか、改訂「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」により、受注者は安全衛生経費等の内訳を明示した見積書を作成し、発注者はその見積書の内容を考慮するよう努めることが必要とされたところである。
このため、都道府県労働局に設置する建設工事関係者連絡会議等の発注者、施工者及び安全衛生行政関係者の集まる場において、建設工事の安全衛生に配慮した発注、安全衛生経費の確保、統括安全衛生管理の徹底のための相互パトロール、安全衛生教育等について協議し、必要な取組を行う。
(17) 建設職人基本法・基本計画に基づく取組等
【厚生労働省が行うこと】
建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律(平成28年法律第111号)に基づく基本計画(令和5年6月に変更)について周知する。また、都道府県計画を策定・変更する都道府県及び策定された計画に基づき対策を実行する都道府県に対して他の都道府県の好事例等を紹介するなど取組を支援するとともに、「建設工事関係者連絡会議の運営に当たって配慮すべき事項等について」(令和5年1月31日付け基安安発0131第2号)に基づき都道府県に対して必要な配慮を行う。併せて、都道府県労働局から管内の労働災害発生状況の分析結果,実施する施策等に係る情報について積極的に提供するなど,都道府県との連携の強化を図る。
2 労働者の健康確保のための対策、化学物質等による労働災害防止対策
(1) メンタルヘルス対策
【厚生労働省が行うこと】
建設業においても精神障害が多く発生しており、建設業の事業場におけるメンタルヘルス対策の取組割合が47.8%(令和6年)と低調であることから、メンタルヘルス対策の取組を推進する。
令和7年5月に公布された改正安衛法により、ストレスチェックについて、労働者数50人未満の事業場を含めた全ての事業場に実施が義務付けられた(施行期日は公布後3年以内に政令で定める日)。なお、安衛法に基づくストレスチェックは、労働契約関係にある労働者に対して事業者責任として実施するものであり、現場単位ではなく、事業者単位での実施が必要であること。
【事業者が行うこと】
ストレスチェック制度の実施を徹底するとともに、労働者数50人未満の事業場においても、ストレスチェックの義務化の施行に向けて、必要な準備等を進めること。
(2) 熱中症対策
【厚生労働省が行うこと】
 令和7年6月1日に施行された、熱中症による死亡災害等の重篤化を防ぐために、熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ迅速かつ適切に対処することにより重篤化を防止するため「報告体制」、「手順作成」、「関係労働者への周知」を事業者に義務付けた改正労働安全衛生規則(以下「改正安衛則(熱中症)」という。)に基づく措置の周知徹底を図る。さらに、事業者の業種・業態に合わせた熱中症防止対策の実施を促進するために、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」(5月から9月まで、準備期間:4月、重点取組期間:7月)期間を中心に、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」の周知・指導を行う。併せて、日本産業規格(JIS)に適合した暑さ指数計や熱中症予防に効果的な機器・用品の普及を図るとともに、熱中症予防対策への理解を深めるために、先進的な取組の紹介や使用者・労働者等向けの教育資料や講習動画を掲載しているポータルサイトを運営する。
【事業者が行うこと】
改正安衛則(熱中症)をはじめとする、熱中症防止を目的とした法令上の措置について、確実に実施すること。また、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を踏まえ、衛生管理者等を中心とした事業場としての労働衛生管理体制の整備、暑さ指数の把握とその値に応じた熱中症防止対策、作業を管理する者及び労働者に対する計画的な労働衛生教育、発症時・緊急時の措置の確認・周知を適切に実施すること。その他、熱中症予防に効果的な機器・用品の活用も検討すること。 また、労働者は、熱中症を予防するために、日常の健康管理を意識し、暑熱順化を行ってから作業を行うこと。併せて、作業中に定期的に水分・塩分を摂取するほか、異変を感じた際には躊躇することなく周囲の労働者や管理者に申し出ること。
(3) じん肺予防対策
【厚生労働省が行うこと】
 令和5年度から令和9年度を期間とする「第10次粉じん障害防止総合対策」に基づき、①呼吸用保護具の適正な選択と使用の徹底、②ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策、③じん肺健康診断の着実な実施、④離職後の健康管理等を推進する。
 ずい道等建設工事を対象として、粉じん作業に従事する労働者のじん肺健康診断等の情報を管理するために建災防が運用している「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」について、建災防と労働基準監督署が連携の上、未登録事業場に対する登録依頼を実施する。
【事業者が行うこと】
粉じん濃度の測定、換気装置等による換気の実施等、また、発注者は必要な経費の積算等、「第10次粉じん障害防止総合対策」に基づき適切にずい道等建設工事における粉じん対策を講ずること。
ずい道建設工事業者は、工事開始時に、「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」を登録すること。
当該防止総合対策に基づく措置を適切に講ずること。また、解体作業等において、法令上必要であるにもかかわらず現場監督など事業者側の判断により防じんマスクを外させることなく、労働者に防じんマスクを確実に使用させること。
(4) 騒音障害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
 ずい道工事や土木工事に従事していた労働者などに騒音性難聴の発生がみられることから、令和5 年4月に改訂した「騒音障害防止のためのガイドライン」(令和5年4月20日付け基発0420第2号)について、リーフレットやパンフレットを活用し、周知・指導を行う。
【事業者が行うこと】
事業者は、ガイドラインに基づき屋内作業場に限らず、騒音障害防止対策の管理者の選任、騒音レベルの把握とその結果に応じた騒音ばく露防止対策、健康診断、労働衛生教育等に取り組むこと。また、元方事業者においては、関係請負人が本ガイドラインで定める事項を適切に実施できるよう、指導・援助を行うこと。
(5) 化学物質による健康障害防止対策
【厚生労働省が行うこと】
 塗装作業等に使用する製剤など化学物質を用いる際には、使用前にラベル・SDSを確認し、その情報に基づき、当該化学物質を用いる作業に応じたリスクアセスメント及び当該結果に基づく措置等を実施するよう周知・指導する。また、引き続き特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則等の遵守の徹底を図る。
 塗膜の剥離や掻き落とし作業について、鉛等有害物の有無、剥離工法等により工事に要する安全衛生経費・工期は大きく変わることから、発注者に対し、有害物の有無、剥離工法等に応じた必要な安全衛生経費の積算等、必要な対応を行うよう求める。
 金属アーク溶接等作業で発生する溶接ヒュームにばく露することによる神経障害等の健康障害を防止するため、特定化学物質障害予防規則の改正内容について周知・指導する。
【事業者が行うこと】
塗装作業等に使用する製剤など、化学物質を用いる際には、店社ごとに化学物質管理者を選任し、使用前にラベル・SDSを確認させ、その情報に基づき、当該化学物質を用いる作業に応じたリスクアセスメント及び当該結果に基づく措置等を講ずること。その際、建災防が作成する化学物質管理マニュアルや関係資料等を必要に応じ活用すること。また、引き続き特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則等の遵守の徹底を図るため、作業主任者等に必要に応じ能力向上教育等を行うこと。さらに、保護具を着用する作業現場においては、店社ごとに保護具着用管理責任者を選任すること。請負人に対しては、ラベル等により作業に用いる化学物質の危険性・有害性や適切な保護具の使用について周知するようにすること。
塗膜剥離作業においては、塗膜には鉛、六価クロム、PCB等の有害物が含まれうることにも留意し、「剥離剤を使用した塗膜の剥離作業における労働災害防止について」(令和2年8月17日付け基安化発0817第1号、令和7年12月26日最終改正)を踏まえ、有害物の含有状況や作業内容に応じて適切なばく露防止対策(剥離剤等作業で使用する保護具の着用も含む。)を講ずること。また、研磨材の吹き付け(ブラスト)や研磨材を用いた手持ち式動力工具(ディスクサンダー)による鋼構造物の研磨等においては、塗膜中の有害物の有無にかかわらず、粉じん障害防止規則に基づき、労働者に対して、呼吸用保護具(送気マスク等)を使用させる等の措置を講ずること。
(6) 石綿健康障害予防対策
【厚生労働省が行うこと】
 石綿障害予防規則に基づく措置等を実施するよう地方公共団体とも連携して周知・指導を行う。また、建築物の解体・改修工事について、適切に対象選定を行い、予告なしの立入りを行う。
 建築物・工作物の解体・改修作業の発注者への対応について、建築物等の解体・改修工事の前に施工業者に実施が義務付けられている有資格者による石綿の有無の調査(事前調査)の実施、事前調査の結果、石綿が使用されていることが明らかになった場合に、石綿除去等の工事に必要な費用等を含めた工事の費用、工期、作業の方法に係る発注条件について、施工業者が法令を遵守して工事ができるように配慮するなどの発注者による必要な措置が講じられるよう厚生労働省が作成した周知リーフレットを用いて必要な周知啓発を図る。
【事業者が行うこと】
石綿障害予防規則に基づき、建築物・工作物の解体・改修工事前の有資格者による石綿含有の有無の事前調査、石綿事前調査結果報告システムを用いた事前調査結果等の労働基準監督署長への報告、事前調査結果の作業場への掲示、写真等による作業の実施状況の記録の作成及び保存などの措置を徹底すること。
また、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和3年3月(令和8年2月改正))」に基づく労働者の石綿ばく露防止措置の徹底を図ること。
3 その他の安全衛生に係る対策
(1) 労働安全衛生マネジメントシステムの普及と活用
【厚生労働省が行うこと】
建設業労働災害防止協会と連携し、労働安全衛生マネジメントシステムの活用・普及促進を図る。
【事業者が行うこと】
建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)を導入した企業の労働災害の減少幅は大きく、労働災害防止に効果があることから、建設工事現場の実態を踏まえたシステムである「ニューコスモス」、「中小事業者向けのコンパクトコスモス」の導入・活用に留意すること。
(2) 建設業における安全衛生教育の推進
【厚生労働省が行うこと】
技術の進展や就業形態の多様化等が見られる中、職場の安全衛生水準を向上させるためには、適切かつ有効な安全衛生教育を実施することが重要である。建設工事従事者の経験、能力、立場等に応じた継続的な教育の重要性について十分な理解を促しつつ、法令等に基づく能力向上教育をはじめ、建設工事従事者の知識や能力の維持・向上のための再教育等の実施を促進する。
【事業者が行うこと】
「建設業における職長等及び安全衛生責任者の能力向上教育に準じた教育について」(平成29年2月20日付け基発0220第3号)に基づき、建設業における職長等及び安全衛生責任者を対象に、概ね5年ごと及び機械設備等に大幅な変更のあった場合に、建設工事従事者の専門性の確保のために、労働災害の防止に係る当該教育を受講させること。
また、「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育について」(平成15年3月25日付け基安発第0325001号)に基づき、建設工事に従事する労働者を対象に、建設現場で働く労働者が守らなければならない労働安全衛生法令の遵守事項等の基本的事項について教育を受講させること。
このほか、「安全衛生教育及び研修の推進について」(平成31年3月28日付け基発0328第28号)に基づく教育、その他の建設工事従事者の知識や能力の維持・向上のための再教育等の受講等に努めること。
 
令和8年度における建設業の安全衛生対策の推進に係る関連通達等(略)
関連通達等は、厚生労働省ホームぺージhttps://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001682858.pdfからご確認ください。

[目次へ戻る]

 
 
[ホーム]