平成20年8月に東京都港区の建設工事現場において,別紙のとおり,高層ビルの建築工事において,エレベーターの設置工事に使用されたゴンドラがシャフト内を約24メートル落下し,当該ゴンドラに搭乗していた作業員2名が死亡する災害が発生した。
ゴンドラを使用したエレベーターの設置工事における同種災害の発生を防止するため,別添1により社団法人日本エレベーター協会に対し,別添2により建設業関係団体に対し,各々要請を行ったところである。
ついては,貴職においても,貴局管内の建設事業者等に対し,別添1及び別添2の事項について,計画の届出の審査,実地調査等の際に適切な指導を行い,同種災害の再発防止の徹底を図られたい。
編注)別添1は省略。
別紙 |
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事故の概要 |
1 |
発生年月
平成20年8月 |
2 |
発生場所
東京都港区内の鉄骨鉄筋コンクリート造建築工事現場 |
3 |
事故の概要
地上45階建(高さ157メートル)のビル新築工事において,エレベーターの設置のため,シャフト内に渡した仮設ビーム(H 型鋼)につるされたゴンドラに作業員2名が搭乗し,ガイドレールを設置する作業を行っていた。当該ガイドレールのつり上げは,ゴンドラと同一のH 型鋼をつり元とするチェーンブロックにより行われていた。作業中,何らかの原因によりチェーンブロックが巻上状態となったが,チェーンブロックにつられた状態でガイドレールがシャフト壁面に固定されていたことから,過剰な荷重がH 型鋼にかかり,その結果,H 型鋼が変形して桁から脱落し,H 型鋼をつり元としていたゴンドラが落下したもの。 |
別添2 |
基安安発第0324003号
平成21年3 月24日 |
建設業労働災害防止協会会長
社団法人全国建設業協会会長
社団法人日本建設業団体連合会会長 殿
社団法人建築業協会会長 |
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 |
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エレベーター設置工事におけるゴンドラの落下による労働災害防止対策の徹底について(要請)
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平成20年8月に東京都港区の建設工事現場において,別紙(略)のとおり,高層ビルの建築工事において,エレベーターの設置工事に使用されたゴンドラがシャフト内を約24メートル落下し,当該ゴンドラに搭乗していた作業員2名が死亡する災害が発生しました。
つきましては,ゴンドラを使用したエレベーター設置工事における同種災害を防止するため,貴団体会員である建設業者に対し,下記の事項に留意し,その安全確保の徹底を図るよう指導・啓発方お願いいたします。 |
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記 |
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1 |
エレベーター設置工事にゴンドラを使用する場合には,次の事項を作業標準として文書化するなどにより,その履行を徹底すること。 |
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(1) |
ゴンドラのつり元は,他の荷重が負荷されるつり元とは独立のものとすること。
ただし,複数のつり元を設置することが困難であり,やむを得ずゴンドラと荷のつり上げ等に使用するチェーンブロック等の揚重装置とを同一のつり元につる場合には,当該揚重装置を過負荷防止装置付きのものとすること。 |
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(2) |
ゴンドラのつり元は,ボルト締め等により確実に固定すること。 |
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(3) |
ゴンドラ及びチェーンブロック等の操作スイッチについては,スイッチに分かりやすい表示を行うなど誤操作防止対策を講ずること。 |
2 |
エレベーター設置工事においてゴンドラを用いる作業を関係請負人に請け負わせる場合には,当該関係請負人に対し,上記1に掲げる事項を周知するとともに,作業現場の巡視等を行うことにより,その履行を徹底すること。 |